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税務調査における反面調査対策の重要性と有効な手法

2023-07-072023-07-07

一言でいうと?

反面調査とは、税務調査の対象者本人ではなく、その取引先や銀行などの関係先に対して実施される税務調査のことを指し、場合によっては、従業員個人や家族まで含まれることがありますが、反面調査は、帳簿や証憑に不備が見当たるとき、調査対象者が情報開示を拒むときなど、実態解明が困難であると税務当局が判断した場合に限り実施される、非常に深く広い影響を及ぼす調査なので、その遂行の抑止のための対策は、事業を営む上で必須となります。

目次

納税者と税理士にとっての税務調査と反面調査対策の意義と目的

ひとたび反面調査が実施されると自社の信用のみならず、多方面に影響が出ますので、常日頃から「税務調査」の対策を意識し整えておくことが大切です。

税務調査の多くは「任意調査」で、その調査で解明されない疑問がある場合、国税通則法第74条の2第1項による「反面調査」が行われますので、まずは基本の帳簿や証憑の正確な記帳と管理を徹底することが、「反面調査」を抑止する第一歩となります。

担当税理士にとっても不意打ちによる「反面調査」や「書面添付制度」の責任を担うことは重責となりますので、税務調査前の段階でしっかりと帳簿や書類や特別事項などを把握し、納税者に申告書作成のアドバイスをしておくことが大事です。

反面調査対策の重要性と税務リスクの回避について

反面調査が行われた結果、被調査対象者が、取引先からの信用を落とし取引停止にされたり、また、取引銀行に反面調査が入り、追加融資がストップしてしまったという例が少なからずあります。

また、調査対象となる取引先は1社だけとは限らず、複数の取引先や、取引先の取引先まで調査対象となる可能性もあり、調査にかかる日数も長期化する場合があります。

通常の税務調査は、正しく経理処理がされていても、定期調査としてランダムに行われる場合がありますが、反面調査はその税務調査で疑義がある場合に行われますので、早い段階で申告書の信頼度や信憑性を上げる対策をすることで、回避することは可能です。

反面調査対策のその他のリスクについて

反面調査対策のその他リスクとして個人情報と守秘義務がありますが、反面調査の際、どこの会社の反面調査であるか等様々な情報を税務署は開示しなくても良いことになっています。

また税務署は、税務調査の対象者の個人情報及び住んでいる地域の銀行などを基本的にはすべて調べられます。

税務調査は質問検査権に基づいて行われるため、調査上の情報提供は、個人情報保護法に定める例外とされ違反にはならず、反面調査を受ける会社が個人情報保護を盾に調査や情報開示に応じないということは事実上できません。

なお、反面調査を拒否したり、口裏合わせ等の虚偽の答弁をした場合は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます。

反面調査対策のその他のリスクとその回避について

反面調査を拒否することは事実上できませんが、反面調査には関連のない書類の提出まで要求されたり、本調査先以外に関する資料の収集については、質問検査権を逸脱した行為となりますので、これについては、意義を申し立てることができます。

また反面調査が実施されて、どの取引先が対象かがわかった場合、その取引先等に連絡すべきかどうかについては、調査官から「自分たちが来たことは取引先には絶対に連絡しないでください」と言われるかもしれませんが、調査官にはそれを強制する権限はないので、自社で連絡の必要性を判断すればよいでしょう。

税理士がクライアントを支援するための効果的な反面調査対策

税理士は、クライアントの大きな負担となる反面調査に至らないようにサポートすることが望まれます。

税務署は自由に反面調査できる訳ではなく、「客観的に見てやむを得ない場合に限り」それができるとされており、納税者本人を調べても事実関係が確認できないような、反面調査せざるを得ない場合に限って反面調査ができるとされていますので、そのルールや義務を前提として、それを逸脱した不条理性を感じる調査の場合は、きちんと説明を要求する必要があり、税理士はその指南役を担うことが期待されます。

また税理士が申告を行う際に特定の書類を添付できる「書類添付制度」を利用することも、クライアントを守る有効な手段となります。

税理士が反面調査対策を支援する為の「書類添付制度」

「書面添付制度」とは「書面添付制度」と「意見聴取制度」の総称で、税務調査、そして反面調査などの対象となる前に、この制度を利用することで申告書の信頼度や信憑性を上げることが可能で、その結果、税務調査及び反面調査の確率を大幅に引き下げることができる場合があります。

税理士が反面調査対策を支援する為の「書類添付制度」の内容

税理士が反面調査対策を支援するための「書類添付制度」の添付資料の内容としては、税理士が納税者からどのような資料を預かり、どの税務関係書類を作成したか、またどのような事項について計算、整理をしたか、そしてどのような相談に応じたのかなどがあります。

また数字の変動からだけではわかりづらいものや、疑問を抱かれそうな事項について、反面調査対策として積極的に書面へ記載をしていくこと大切で、具体的には以下のようなものが考えられます。

・売上と仕入の締め後の取り扱いなど

・棚卸資産や固定資産

・大規模な修繕費

・特別な収益や費用など

・社長借入や社長貸付に関する動向

・税務上の特例や控除利用について

税理士が反面調査対策を支援する為の「意見聴取制度」

「書面添付制度」の「意見聴取制度」では、税務調査の通知前に「法第30条に規定する税務代理権限証書」と「税理士法第33条の2に規定する書面を添付した申告書」を提出している税理士には、添付書面に記載された事項に関する意見を述べる機会を与えなければならないこととされ、その結果、税務調査や反面調査の必要性がないと認められた場合には、税理士等に書面で通知することになっています。

「書面添付制度」を利用している場合は、意見聴取時に申告漏れなどが指摘された場合でも、その間の延滞税はかかりますが、過少申告加算税や重加算税が発生しないというメリットがあります。

反面調査対策の具体的な手法と有効な実施手順

反面調査の決定後、口裏合わせや書類の改ざん・隠蔽を懸念し、取引先には無予告で調査が行われますが、その手法は電話や文書による質問、会社や店舗への訪問など様々で、調査対象は基本的には「対象者との取引について」のみとなります。

反面調査の具体的事例としては、相手先が自社の領収書を経費にしている場合、自社の方で売上として計上されているかという整合性や、相手先の売上が過少である疑いがある場合に、当社の方で経費として計上されていないかという確認があり、架空の領収書を切っている場合は脱税幇助となります。

反面調査を拒否したり、虚偽の情報開示を行った場合は、懲役や罰金のペナルティが課されることもあります。

反面調査対策の有効な対応手順

反面調査をされる側としては税務署からの連絡が来たら、予め必要な書類やデータを準備し、取引先との契約書、納品書、請求書、領収書などは順を踏んで、差異がないか確認しましょう。

反面調査の際には、自らの業務を優先させる権利は認められており、調査官が不意打ちでやってきたときに、重要な業務で手が離せない状況だったり、責任者が不在だったりという、やむを得ないと認める事情がある場合には、延期することも可能です。

調査官が来社したら、身分証明書の提示を求め、所属、氏名を確認するとともに、来社理由を尋ね、反面調査の場合は、その取引先、取引年月日、取引内容等を確認し、調査官の名刺を受け取るようにしましょう。

納税者が自身の税務対策において反面調査対策を活用する方法と注意点

税務対策における反面調査対策の一つとしては、「法定調書」をしっかりと間違いなく作成しておき利用するということが有効です。

「法定調書」とは、税務署が、事業主にお金の支払いがあった場合に、その事実を届出させることでお金の動きを把握するための調書で、給与や報酬などの支払いをした者は毎年1月末までに、所轄税務署に提出をすることが義務付けられています。

法定調書には60種類がありますが、主なものは「給与所得の源泉徴収票」「退職所得の源泉徴収票」や「支払調書」で、税務調査や反面調査の際には、その支払いを証明する有効な書類ともなります。

納税者自身の反面調査対策に有効な法定調書の「支払調書」

納税者が自身の反面調査対策に利用できる「支払調書」とは、税務署に提出が義務づけられている法定調書のひとつで、主に個人への支払先ごとに支払内容や明細を記載して作成するもので、代表的な種類は以下の4つです。

1.報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書

2.不動産の使用料等の支払調書

3.不動産等の譲受けの対価の支払調書

4.不動産等の売買又は貸付のあっせん手数料の支払調書

このうち一般的に企業で扱われる支払調書は、1と2が多く、一般に「支払調書」と言えば「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」であることが多くなります。

反面調査対策の「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」

反面調査対策となる「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」とは、外交員や集金人への報酬、顧問料など弁護士や税理士に支払う報酬、講演料、プロスポーツ選手・コンパニオン・芸能人などへの報酬・料金、社会保険診療報酬支払基金の診療報酬など、一定の報酬・料金・契約金・賞金などが対象の「支払調書」です。

主にフリーランス等個人の取引先に対して特定業務の為に報酬を支払った場合が対象となり、いわば発注側の企業が発行するフリーランスなどの報酬・料金に対する「源泉徴収票」のようなものですが、原稿、講演、デザイン等への報酬・料金についての源泉徴収の要否や各業務の調書作成の報酬下限金額については都度確認しましょう。

反面調査対策となる法人への「支払調書」

反面調査対策となる「支払調書」は、上記のように原則としてフリーランスなど「個人」に支払われた報酬・料金について必要となるもので、「法人」については必要ないと思われがちですが、ただし、税理士法人など、「法人に支払われる報酬・料金で源泉徴収の対象にならないもの」であっても、支払調書の提出範囲に該当する場合は支払調書を提出しなければなりません。

また、「支払った金額が提出範囲以下の少額で源泉徴収していないもの」についても、上記の報酬・料金に該当する場合は支払調書を提出する必要があります。

支払調書を提出しなかった場合、最大1年の懲役または50万円以下の罰金が科されます。

反面調査対策のベストプラクティス

税務調査が入って、修正申告を受ける確率は約80%、加算税の支払いを命じられる確率は約20%です。

反面調査対策のベストプラクティスとしては、最も重いペナルティーである重加算税の支払いを命じられることを、避けるということでしょう。

重加算税が課せられる事例とならないように、以下のような行為をしないように注意しましょう。

・売上の隠蔽または改ざん

・重要書類の破棄

・二重帳簿の作成

・架空経費の計上

・証拠書類の偽装作成や改ざん

申告書を作成する際は、なるべく詳しく記入することで、税務署の信用度が高まり反面調査対策となりますので、誤解の生じないようできるだけ詳細に記入するようにしましょう。

反面調査対策のベストプラクティスの具体例

上記例のような反面調査に繋がる改ざんと受け取られないために、以下のような反面調査対策のポイントに留意しましょう。

〇記帳のポイント

請求書の訂正は社内処理でなく相手方に再発行を依頼する

社外や仕入先の預け在庫や証票類の管理を確実に行う

カード支払いの経費を二重に計上しないようにする

自宅兼会社の場合は按分計算に気をつける

商品券の使途や旅費規定を明確にする

臨時雇用者の勤務状況記録を保存する

〇申告書作成時のポイント

申告内容に異常計数がある場合や複数年に渡って期末残高が同額の買掛金・未払金等がある場合などは理由を詳しく備考欄に記載する

勘定科目内訳明細書は「その他」を避け、詳細に記入する

税務調査における反面調査対策の成功事例と要点

例えば、売上げを故意に翌事業年度に繰り延べたのではないかという指摘の場合には、必ず納税者自らが検収日などを取引先に確認するなど、真実を調査官に提示するというスタンスを強く説明することで、常にとは限りませんが、反面調査の遂行を納税者による確認まで待ってくれる場合があります。

調査官は、反面調査前から既にある程度の事実関係を掴んでいる場合もあるので、対象者の非協力的な態度には、更に疑いを強めていきます。

もし不備がある場合にも素直に確認・修正に応じるなど、真摯に対応すれば、事態の悪化を最小限に抑えられる場合もありますので、どんな場合にも誠実に対応することが、反面調査対策の成功への道と言えます。

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