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個人事業主が消費税を申告する際の計算方法

2022-03-302022-07-20

一言でいうと?

納税義務のある個人事業主は、簡易課税方式か原則課税方式か、どちらかの方式を用いて消費税の納税額を計算する必要があります。

目次

個人事業主でも消費税を納める

普段は消費者として当たり前に負担している「消費税」ですが、それを納付するのは事業者です。その為、百貨店やスーパーマーケット、イベント運営など消費税の発生する商品の販売やサービスの提供をしている会社は当然、消費者が負担した消費税を納めています。

一方で、法人成りしていない個人事業主であっても、消費税を納める義務が発生するケースがあります。本稿では、どのような計算方法で個人事業主が消費税の納税額を計算するのかを分かりやすくご紹介します。

消費税の納税義務がある個人事業主とは

消費税を負担するのは消費者ですが、納税義務があるのは事業者です。これは会社であっても、個人事業主であっても対象です。個人事業主の場合、消費税が課税されるかどうかは、以下の判断期間の実績で計算します。

具体的には、個人事業主の場合、前々年、つまり2年前の課税売上額が1000万円以上であれば、消費税を納める義務があります。この期間が1000万円以下でも、特定期間と呼ばれる期間に課税売上額が1000万円を超えた場合には、納税義務があるとされる場合があります。

個人事業主が見るべき消費税に関する「期間」

消費税の納税義務があるかどうかを判断する材料として、基準期間という期間が存在します。これは個人事業主の場合、前々年(今より2個前の年)です。年度ではなく1月1日から12月31日までの1年を指しますので注意しましょう。

さらに特定期間と呼ばれる、もうひとつの判断材料は、前年の1月1日から上半期最終日6月30日までの期間を言います。この期間のボーダーライン1000万円には、課税売上高だけでなく、給与などの支払額も参照されます。

具体的には、課税売上額が1千万円を超えていても、給与などの支払額が下回っていれば、納税義務をないとすることもできますし、その逆に課税売上額が1千万円を下回っていても、給与などの支払額が上回っていれば、納税義務があるとすることもできます。

個人事業主の納めるべき消費税の計算方法

消費税は、法人税や所得税などと同様に確定申告をして、その金額を納付するまでの作業が必要な税です。個人事業主は2つの計算方法から、自分の事業がどちらに当てはまるかを判断し、選択しなければなりません。

簡易課税方式は基準期間の課税売上が5000万円以下の事業主であった場合、その期間の開始日前までに予め選択届出書を提出することで、選択が可能です。

これに対して、基準期間の課税売上が5000万円超の事業主は原則課税方式を使います。簡易課税方式の対象になる事業主も原則課税方式を採用できますが、簡易課税を選択する届出書を提出しており、かつ基準期間の課税売上が5000万円以下であれば簡易課税が強制されますので、原則課税方式を採用する場合には、原則としてその期間の開始日前までに簡易課税の適用をやめる届出を提出しなければなりません。ただし、適用をやめる場合にも2年間簡易課税で計算をする必要があるなど、制限がありますので注意が必要です。

自分の事業はどちらで消費税を算出するのか見極めましょう。

簡易課税方式の計算式

簡易課税方式では、みなし仕入率というものを用いて計算します。みなし仕入率とは、業種ごとに予め一律で決められている控除できる仕入率を言います。例えばサービス業では50パーセント、小売業なら80パーセントです。税抜きの1年間総課税売上額に10パーセントをかけた数字から、その数字にみなし仕入率をかけた数字を差し引くと、納付すべき消費税が算出されます。

原則課税方式の計算式

原則課税方式では、税抜きの1年間総売上額に10パーセントをかけた数字から、1年間の仕入れや経費による支出に10パーセントをかけた数字を引くと消費税の納税すべき金額が算出されます。このうち、取引で課税されない取引が含まれていた場合は、除いて計算しましょう。

個人事業主が消費税の計算に迷った場合は

自分の事業ではどちらの計算方法で計算すれば消費税の負担が減るのか、そもそも計算方法や消費税の確定申告の方法がわからない、こういった悩みがある個人事業主の方は一度税理士に相談するのがいいでしょう。

既に税理士と顧問契約を結んでいる場合は、その税理士に相談すればいいですし、そうでない場合で、今回単発に消費税のことに関する依頼だけでも税理士は引き受けてくれます。

消費税に関してつつがなく消費税に関する処理をサポートしてくれますので、自分の手間を減らしたい方は一度税理士を頼る手もあると考えてみましょう。

個人事業主であっても消費税の納付義務が生じる可能性がある

消費者が負担した消費税は、法人成りしていない個人事業主でも条件に該当した場合、納付する義務が発生します。その年の前々年の総売上額が1000万円を超える場合や、そうでなくても前年の上半期(元日から6月末日まで)に1000万円以上の総売上を出している場合は個人事業主であっても、消費税の納税義務があります。

計算方法は2種類あり、自分がどちらの計算方法を使用できるか、または有利かを考え、適切に確定申告と申告金額の納付を行いましょう。

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