青色申告特別控除を受けるための要件は?どれくらいの節税効果がある?
2022-07-012022-07-20
一言でいうと?
青色申告承認申請書と開業届をその年の3月15日迄に提出し、指定された書類で確定申告することで、最大65万円の所得控除が受けられます。
目次
青色申告とは?メリットは?
青色申告とは確定申告における一つの申告方法です。確定申告には青色申告以外に白色申告という方法もありますが、青色申告と白色申告では申告内容が異なります。
大きく異なる点は、提出する書類が青色申告のほうが複雑です。また青色申告をするには、要件を満たす必要がありますので、その要件を満たしていない方は青色申告をすることができません。
青色申告の最大のメリットは最大で65万円の所得控除が受けられることです。これを青色申告特別控除といいます。
青色申告をするために必要な要件
青色申告をするためには要件を満たす必要があります。要件を満たさなければ青色申告はできません。
青色申告をするための要件は以下の通りです。
・その年の3月15日迄に「青色申告承認申請書」を所管の税務署に提出
・不動産所得、事業所得、山林所得のいずれかがある
開業届をすでに出している方は、青色申告特別控除を受けたいその年の3月15日までに青色申告承認申請書を出しましょう。開業届を未提出の方は、開業日から1ヶ月以内に開業届を出し、青色申告承認申請は開業日から2ヶ月以内に提出しましょう。
これらの条件を満たせない方は自動的に白色申告対象者となります。
青色申告の提出書類
次に青色申告で確定申告する際に必要な提出書類は以下のとおりです。
・確定申告書B
・青色申告決算書
・貸借対照表と損益計算書
・第三表
・第四表
青色申告をする方が保存しておくべき帳簿
次に青色申告をする方が保存しておくべき帳簿は以下のとおりです。
・総勘定帳
・仕訳帳
・現金出納帳
・売掛帳
・買掛帳
・固定資産台帳 など
青色申告する方がその他気をつけるべきこと
青色申告する方が気をつけるべきことは記帳方法です。白色申告の記帳方法は簡易簿記ですが、青色申告は原則複式簿記となります。
また最大65万円の青色申告特別控除を受けるためには、原則としてe-Taxで申請する必要がありますので気をつけましょう。
これまで述べてきた通り、青色申告は白色申告とは異なり、要件や条件、必要書類が複雑ですが、それ故に大きなメリットとなる最大65万円の所得控除、青色申告特別控除が受けられるのです。
青色申告特別控除の節税効果
青色申告特別控除の最大のメリットである最大65万円の所得控除がどれくらいの節税効果になるか、具体例を紹介します。
・年収 800万円
・経費 300万円
・所得控除 50万円
以上の条件のような青色申告者がe-Taxを利用して青色申告すると白色申告者との違いは以下のとおりです。
白色申告者の課税される所得総額:年収800万円 – 経費300万円 – 所得控除50万円 = 450万円
白色申告者の所得税額:所得総額450万円 × 所得税率20% – 税率別控除427500円 = 472500円
青色申告者の課税される所得総額:年収800万円 – 経費300万円 – 所得控除50万円 – 青色申告特別控除65万円 = 385万円
青色申告者の所得税額:所得総額385万円 × 所得税率20% – 税率別控除427500円 = 342500円
年収800万円で経費が300万、所得控除が50万ある方は白色申告すると所得税として472500円ですが、青色申告であれば342500円となり、結果的に13万円節税されたことになります。
併せて読みたい
青色申告が取り消しとなる7のケース
これまで青色申告の要件や提出書類等々を説明してきましたが、青色申告者であることを継続するためには、以下のような取消しのケースに該当しないようにする必要があります。
・帳簿書類の非作成
・帳簿書類の開示拒否
・帳簿書類の不正や不備
・所得の隠蔽
・無申告や期限後申告
青色申告は非常にメリットの大きい申告方法ですが、青色申告者になるための条件があるだけでなく、それを維持するためにも条件があります。
青色申告を検討している方は、これらを一人で対応するのは難しいかと思いますので、税理士等の専門家を頼るのも一つの手段と言えるでしょう。税理士費用は、青色申告によって得られる節税分で十分まかなえるでしょう。