青色申告のデメリット
2022-03-022022-07-20
一言でいうと?
青色申告は白色申告と比べても節税メリットが多い申告方法ですが、それでも簿記の知識が最低限必要であり、事前に青色申告承認申請書を提出し、「不動産所得」「事業所得」「山林所得」の3種類のいずれかを得ている事業主しか申告することができません。
目次
青色申告に必要な簿記の知識
確定申告で必要な簿記には、単式簿記と複式簿記の2種類があり、現金の動きを単純に記帳する単式簿記、すべての取引を借方と貸方に分けて記帳し整理する複式簿記があります。
青色申告の場合、青色申告特別控除の控除額が大きく増額するといった効果がありますので、複式帳簿の記録を行うことが望ましいとされます。
そして、複式簿記による取引の把握は、その取引の確実性や信憑性を高めるだけでなく、貸借対照表の作成が可能です。
複式簿記の作業としては、複式簿記のルールに則って取引を記録します。
この記録する作業を仕訳と呼び、仕訳作業によって確定申告で必要な貸借対照表と損益計算書を作成することができます。
青色申告承認申請書の提出
青色申告を行うためには、所得税の青色申告承認申請書を、所轄の税務署に提出しなければなりません。
青色申告承認申請書自体は名前や個人事業として行う業種などを項目に従って記入するだけです。
所得税の青色申告承認申請書は、税務署で直接入手することができ、また国税庁のウェブサイトからダウンロードして印刷することが可能です。
青色申告承認申請書の提出期限
青色申告承認申請書は、原則として開業日から2か月以内に提出しなければなりません。
しかし青色申告の承認を受けていた被相続人の事業を死亡により相続した場合、相続開始が1月1日から8月31日のあいだなら4か月以内、9月1日から10月31日のあいだならその年の12月31日まで、11月1日から12月31日の間なら翌年の2月15日までの提出がみとめられています。
開業届の提出期限
開業届は開業日から1か月以内に提出することが求められています。
実際の開業に当たり提出義務があるわけではなく、また罰則があるわけではありませんが、青色申告承認申請書と共に、開業届も提出するべきです。
青色申告を目指す場合、開業から1か月以内に、青色申告承認申請書と開業届の両方を併せて提出するのが理想的な提出方法となります。
もし開業から1か月以上経過している場合、できるだけ早く提出を行い、同時に税務署の窓口に相談する必要があるでしょう。
青色申告承認申請書、開業届を提出する際
青色申告承認申請書、開業届を提出する際、失業保険を利用する場合、失業保険が終了するという点で注意が必要です。
退職後に開業する場合、開業届を出した時点で失業期間が終了したと見なされます、そのため失業保険が受け取れなくなる可能性があります。
青色申告できる所得とは
所得税法では、10種類の所得の区分が決められています、しかし青色申告ができるのは個人事業主の事業所得と不動産所得と山林所得のみです。
会社員などの給与所得者でも、これらの所得がある場合には青色申告ができます。
事業所得
事業所得とは小売業やサービス業、農業、漁業、または自由業といった自営業による所得をいいます。
株式の譲渡や先物取引による所得も、事業として行われている場合には事業所得となります。
不動産所得
不動産所得とは、貸家やアパート、マンションなどの建物、駐車場、貸地など不動産の賃貸で得られた所得を不動産所得と言います。
山林所得
山林所得とは、山林の伐採や立ち木のままによる譲渡などの所得です。
山林を取得後、5年以内に山林の伐採による所得を得た場合、またあるいは立ち木のまま譲渡したケースでは、事業所得か譲渡所得のいずれかとなります。
また、区画等ではなく、山ごと譲渡したケースは譲渡所得に当たります。
併せて読みたい
青色申告の少ないデメリット
青色申告のデメリットは上記の通り最低限の簿記の知識、事前に開業届と青色申告承認申請書の提出が必要、不動産所得、事業所得、山林所得の3種類いずれかを得ている事業主であることの三点に尽きます。
とはいえ青色申告のメリットが大きいことは間違いなく、たくさんの節税メリットがある魅力的な制度です。
青色申告を目指すのであればしっかりと事前準備を整えるところから始めましょう。