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リース期間定額法とその例外である残価保証額の取扱いを解説

2022-11-172023-06-30

二つに分類されるリース取引

リース取引は実務で良く目にしますが、税法上の取扱いは、税務上のリース取引とそれ以外のリース取引に分類されます。税務上のリース取引はいわゆるファイナンス・リース取引と言われるものに近いです。ファイナンス・リース取引に該当すると、リース取引ではなく、リース資産の売買取引として取り扱われます。

税務上のリース取引も更に二つに分類される

税務上のリース取引も、更に大きく二つに分類されますが、殆どのリース取引は「所有権移転外リース取引」です。この所有権移転外リース取引は、リース資産の所有権が賃貸人(リース会社)から、賃借人である企業に最終的には移転しないリース取引です。簡単に言うと、リース資産を返還するリース取引です。

税務上のリース取引は、所有権移転外リース取引を含め、売買取引になりますので、リース会社から企業に資産を引渡した後は、賃借人でその資産を、会社の固定資産として減価償却することになります。このケースにおいて、所有権移転外リース取引はリース期間定額法と言われるやり方で減価償却をします。

リース期間定額法とは

リース期間定額法とは、リース資産の取得価額を、リース期間の月数で割った金額を毎月の減価償却費とする方法です。リース資産の取得価額とは、リース会社に支払うリース料の総額を意味しますので、この方法による毎月の償却額は、原則としてリース会社に支払う毎月のリース料と同額になります。

残価保証額の取扱い

リース期間定額法の例外として、毎月の支払額と償却額が一致しない場合に、残価保証額が契約で設定されていることがあります。これは、リース期間終了時に、リース資産の処分価額が契約で定められた保証額に満たない場合に、その満たない部分を賃借人がリース会社に支払うこととされており、その保証額です。

所有権移転外リースであれば、リース資産を返還することになりますが、この返還された資産の処分額も含めてリース会社はリース料を設定しています。ですから想定された処分額に満たないと困ることから、このような保証額を設定することになります。

残価保証額がある場合は、その金額のリース資産が減価償却後も残ることになりますので、リース期間定額法の計算において、その金額をリース資産の取得価額から減算して減価償却費を計算する必要があるとされていますので注意が必要でしょう。

この記事を書いた人

松嶋 洋(元国税調査官・税理士)

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東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

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