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新型コロナ税特法

2023-01-272023-01-27

一言でいうと?

新型コロナ税特法(しんがたころなぜいとくほう)とは、令和2年4月30日に公布・施行された「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律」のことで、新型コロナ税特法とは、納税の猶予、還付の特例、寄付金控除の特例、住宅借入金等の所得税額の特別控除期限の延長などが盛り込まれた、緊急に必要な税制上の措置のことをいいます。

新型コロナ税特法とは

新型コロナ税特法とは、新型コロナウイルス感染症の蔓延により、下押しされた日本経済を持続的な成長軌道に戻すために策定された「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」の中で盛り込まれた、税制の措置のための特例の法律です。

また新型コロナ税特法と合わせて、地方税法等の一部を改正する法律が成立し、固定資産税の特例措置の拡充・延長の手当など各種施策が実施されています。

それぞれの申請には期限があったり、状況により追加・変更される場合もありますので、政府関連のホームページで随時確認しましょう。

新型コロナ税特法の種類

新型コロナ税特法は、大きく分けて次の4つの区分になります。

国税通則関係

所得税関係

法人税関係

消費税等関係

「国税通則関係」の新型コロナ税特法

国税通則関係の新型コロナ税特法は、以下の「納税の猶予の特例」があります。

税務署長等は、新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置の影響により令和2年2月1日以後に納税者の事業につき相当な収入の減少があった場合において、同日以後の納期限に納付することが困難であると認められるときは、納期限までに行われる申請に基づき、その納期限から1年以内の期間を限り、その納税を無担保かつ延滞税なしで猶予することができます。

「所得税関係」の新型コロナ税特法

所得税関係の新型コロナ税特法には次の5つがあります。

給付金の非課税

給付金の差押禁止

指定行事の中止等により生じた権利を放棄した場合の寄附金控除又は所得税額の特別控除の特例

住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除に係る既存住宅の取得後の居住の用に供する期限等の特例

住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除に係る居住の用に供する期間等の特例

「所得税関係」の新型コロナ税特法の適用内容

給付金の非課税では、家計への支援から特別定額給付金給付事業費補助金、子育て世帯臨時特別給付金給付事業費補助金については、所得税を課さず、またその給付金を受ける権利を、国税の滞納処分により差し押さえることはできません。

またイベントの中止等により生じた入場料金等払戻請求権の全部又は一部の放棄を指定期間内にした場合、寄附金控除や所得税額の特別控除の特例の適用ができます。

住宅借入金等の所得税額の特別控除に関しては、適用要件の日付までに居住できなかった場合にも特定の日まで延期することができます。

「法人税関係」の新型コロナ税特法

資本金の額等が10億円を超える大規模法人やその支配下の法人、または相互法人などの関係法人以外の法人の欠損金の繰戻しについては、令和2年2月1日から令和4年1月31日までの間に終了する各事業年度において生じた欠損金額について、租税特別措置法に規定する中小企業者の欠損金等以外の欠損金の繰戻しによる還付制度の不適用措置を適用せず、期日までに還付請求書を提出することにより、欠損金の繰戻しによる還付制度が適用できるとしています。

「消費税等関係」の新型コロナ税特法

事業者が、新型コロナウイルス感染症の影響により収入の著しい減少があった課税期間以後の課税期間について、「事業者免税点制度」を適用すること又は不適用とすることが必要となり、税務署長の承認を受けた時は、「課税事業者選択届出書」等を本来の期限までに提出したものとみなす等とする「消費税の納税義務の免除の規定の適用を受けない旨の届出等に関する特例」があります。

また新型コロナウイルス感染症の影響を受けたことを条件として「印紙税を課さない特別貸付けに係る消費貸借契約書の印紙税の非課税」の適用があります。

新型コロナ税特法と「地方税法等の一部を改正する法律」

地方税法等の一部を改正する法律が、新型コロナウイルス税特法と同じく、令和2年4月30日に成立し公布され、税制上の措置の充実が図られています。

新型コロナ税特法の内容に沿って、個人住民税、不動産取得税、自動車税、固定資産税等に係る減収などを補塡する特例措置が講じられています。

「地方税法等の一部を改正する法律」の種類

新型コロナ税特法と並行して施行される「地方税法等の一部を改正する法律」には以下のようなものがあります。

徴収猶予の特例

固定資産税・都市計画税の特例

車体課税の特例

個人住民税の特例

不動産取得税の特例

その他の特例

地方税法改正の「徴収猶予の特例」

多くの事業者の収入が急減した状況を踏まえ、国税同様、地方税も、申請に基づき無担保かつ延滞金なしで 1年間、徴収猶予の特例を適用できることとされました。

原則全ての税目が対象(証紙徴収による地方税は除く)で、令和2年2月1日から令和3年1月31日までに納期限が来る地方税について適用され、納期限までの一定期間(1か月以上)において収入が前年同期比概ね20%以上減少した場合で、一時に納付が困難と認められる場合に適用されます。

なお施行日前に納期限が来ている地方税についても遡及して適用できます。

地方税法改正の「固定資産税・都市計画税の特例」

新型コロナ下、厳しい経営環境の中小事業者に対し、令和3年度の1年分に限り、償却資産及び事業用家屋に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準を軽減します。

令和2年2~10月の中の任意の3ヶ月間の売上が、前年同期間比30%以上50%未満減少した者は2分の1、50%以上減少した者はゼロとなります。

また新型コロナ下に、新規に設備投資を行う中小事業者に対し「生産性革命の実現に向けた固定資産税の特例措置の拡充」として、一定の事業用家屋や構築物を対象資産に加え、適用期限を2年延長し、国費で補塡します。

地方税法改正の「車体課税の特例」

令和元年10月1日から令和2年9月30日までの間に取得した自動車税・軽自動車税環境性能割の税率を1%分軽減する特例措置の適用期限を6か月延長し、令和3年3月31日までに取得したものを対象とします。

またこの措置に伴う減収については、自動車税減収補塡特例交付金及び軽自動車税減収補塡特例交付金により全額を補塡します。

地方税法改正の「個人住民税の特例(イベントの払い戻し)」

「イベントを中止等した主催者に対する払戻請求権を放棄した者への寄附金控除の適用に係る対応」として中止、延期又は規模の縮小となった文化芸術・スポーツイベントのうち 文部科学大臣が指定した一定の要件を満たすイベントの参加予定の納税者が、チケット等の払戻請求権を放棄した場合には、寄附金控除の適用を受けられます。

対象金額は、所得税と同様に20万円を上限とし、また、他の寄附金と合わせての適用上限額は総所得の30%、適用下限額は2,000円となります。

地方税法改正の「個人住民税の特例(住宅ローン控除)」

新型コロナウイルス感染症の影響による住宅建設の遅延等によって住宅への入居が遅れた場合、定められた期日までに住宅取得契約が行われている等の一定の場合には期限内に入居したのと同様の住宅ローン控除を受けられるよう適用要件が見直されました。

住宅建設の遅延等により、令和2年12月31日までに入居できない方への特例、「住宅ローン減税の適用要件の弾力化」、中古住宅の増改築等の遅延等により、6か月以内に入居できない方の特例、「住宅ローン減税の適用要件の弾力化」などがあります。

地方税法改正の「不動産取得税の特例」

特例対象住宅を取得の日から6月以内に居住することができない場合、以下の条件を満たせば、令和3年度末入居分まで当該特例措置を適用できます。

新型コロナウイルスの影響下、耐震改修した住宅に居住することとなった日が取得の日から6か月を経過する日後となったこと。

上記の耐震改修に係る工事の請負契約を、当該住宅の取得の日から5か月を経過する日、又は法律の施行の日から2か月を経過する日のいずれか遅い日までに締結していること。

上記耐震改修に係る工事の終了後6か月以内に、当該住宅に居住すること。

地方税法改正の「その他の例」

中小企業がテレワーク等のために行う設備投資について、中小企業経営強化税制を拡充し、その対象に加えられました。

遠隔操作、可視化、自動制御化のいずれかに該当する設備である、機械装置、工具、器具備品、建物附属設備、ソフトウエアなどが対象となります。

ただし購入金額に下限がある場合がありますので、注意しましょう。

新型コロナウイルス税特法と「助成金」の課税・非課税

新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえて、国や地方公共団体により事業者や住民に対する支援として支給される助成金(給付金、協力金、補助金)については、法令上やその支援の対象者や目的などにより、課税対象となるか非課税対象になるかが異なります。

非課税対象となる「助成金」

非課税となる助成金は支給の根拠から以下の3つに分けられます。

法令等の規定により非課税所得とされるもの

新型コロナ税特法により非課税とされるもの

所得税法の規定により非課税所得とされるもの

法令により非課税とされる「助成金」

法令等の規定により非課税所得とされるものには以下の例があります。

新型コロナウイルス感染症対応休業支援金(雇用保険臨時特例法7条)

新型コロナウイルス感染症対応休業給付金(雇用保険臨時特例法7条)

新型コロナ税特法により非課税とされる「助成金」

新型コロナ税特法が非課税の根拠となるものには以下の例があります。

特別定額給付金

住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金

新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金

子育て世帯への臨時特別給付金

所得税法により非課税とされる「助成金」

所得税法が非課税の根拠となるものには以下の例があります。

学資として支給される金品

学生支援緊急給付金

心身又は資産に加えられた損害について支給を受ける相当の見舞金

低所得のひとり親世帯への臨時特別給付金

低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金

新型コロナウイルス感染症対応従事者への慰労金

企業主導型ベビーシッター利用者支援事業の特例措置における割引券

課税対象となる「助成金」

課税対象となる助成金は主に以下の3つに分けられます。

事業所得等に区分されるもの

一時所得に区分されるもの

雑所得に区分されるもの

事業所得として課税される「助成金」

事業所得等に区分され課税される「助成金」には以下のようなものがあります。

事業復活支援金

持続化給付金(事業所得者向け)

中小企業及び個人事業者のための一時支援金

月次支援金

雇用調整助成金

小学校休業等対応助成金(支援金)

家賃支援給付金

小規模事業者持続化補助金

農林漁業者への経営継続補助金

医療機関・薬局等における感染拡大防止等支援事業における補助金

新型コロナウイルス感染症特別利子補給制度に係る利子補給金

一時所得として課税される「助成金」

一時所得に区分され課税される「助成金」には以下のようなものがあります。

事業復活支援金

持続化給付金(給与所得者向け)

Go Toキャンペーン事業における給付金

雑所得として課税される「助成金」

雑所得等に区分され課税される「助成金」には以下のようなものがあります。

事業復活支援金

持続化給付金(雑所得者向け)

新型コロナ税特法のよもやま話・豆知識

新型コロナ税特法をめぐるワクチン接種の負担例

企業で、市町村から新型コロナウイルス感染症のワクチンの職域接種を、接種1回当たり2,070円(税抜き)の委託料を受領して、関連会社や取引先や自社の従業員等を対象に無料で、自社で行った場合は、接種会場の設営費用、医師・看護師等の派遣費用などの費用が、委託料収入を上回る費用負担となった場合でも、法人税法上の寄附金の額又は交際費等の額に該当しません。

この場合の費用負担は、社内の新型コロナウイルス感染症の感染拡大が防止されることが、会社の業務遂行に必要な費用の負担と考えられるからです。

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