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老人扶養親族

2022-12-202022-12-20

一言でいうと?

老人扶養親族(ろうじんふようしんぞく)とは、その年の12月31日現在で年齢が70歳以上の扶養された親族をいい、老人扶養親族と生計を一にしている納税者は、一定の扶養控除を受けられます。

老人扶養親族とは

0歳以上(その年の12月31日老人扶養親族とは、配偶者を除いた70歳以上の6親等内の血族及び3親等内の姻族(婚姻によって親族となった人)等で、以下の所得金額の要件を満たす、納税者と生計を一にしている人、または一緒に生活していなくても仕送りで生活費を負担してもらっている人をいいます。

また老人扶養親族となるには後述する通り所得に関する制限があり、そして青色申告者、または白色申告者の事業専従者ではないことが条件です。

老人扶養親族の扶養控除は、確定申告や年末調整で行えます。

老人扶養親族となる収入の条件

老人扶養親族は、年間所得金額が合計48万円以下であることが要件とされています。

公的年金のみ収入がある場合については、65歳以上の場合、公的年金の収入金額が年間110万円までは所得金額がゼロとみなされますので、その合計が、158万円以下の場合に扶養控除の対象となります。

給与のみ収入がある場合には、給与所得には55万円の控除がありますので、所得の上限48万円と合わせて実際には給与所得103万円までがゼロとみなされます。

老人扶養親族と「生計を一にしている人」と認められる場合

老人扶養親族と生計を一にしている人と認められる場合は、以下のようなものがあります。(中には判定を要する場合もあります。)

常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合はもちろん、生活費の大部分でなく生活費の一部の送金である場合にも認められることがあります。

兄弟姉妹と共同して送金している場合でも、それが生活費であれば認められますが、ただし、重複して複数人が控除を受けることができないので、兄弟姉妹で話し合う必要があります。

老人扶養親族と「生計を一にしている人」と認められない場合

老人扶養親族と生計を一にしている人と認められない場合、または判定を要する場合は以下のようなものがあります。

親族が同一の家屋に住んでいるが、明らかに互いに独立した生活を営んでいる場合や老人扶養親族にお金は送金しているが、生活費ではなくおこづかい的なお金である場合などは認められません。

また贈っている生活費が月々決まったものではなく、「時々」や「たまに」である場合や半年に1度、ボーナス時、帰省時などにまとめて送金を行っている場合も、認められないことになります。

老人扶養親族の扶養控除額

老人扶養控除は同居しているか、していないかで、金額が変わり、同居老親等以外は、48万円、同居老親等は58万円となります。

また、老人扶養親族が障がいがある場合は、障がい者27万円、特別障がい者40万円、同居特別障がい者75万円の障がい者控除が適用され、老人扶養控除にそれぞれ加算されます。

つまり70歳以上で特別障がい者の老人扶養親族と同居している場合は、58万円+75万円の138万円が控除額となります。

老人扶養親族の控除適用のメリット

老人扶養親族の控除を適用すると、扶養者の課税所得額が下方に変化するので、所得税が軽減されるというメリットがあります。

また75歳未満の被扶養親族が健康保険の被扶養者となった場合、自身で健康保険料を負担する必要がなくなります。

ただし、別居している人を健康保険の扶養に入れるには、被扶養者の年収より多い仕送りをしていることが必要となりますので注意しましょう。

老人扶養親族の控除適用のデメリット

老人扶養親族は、年金などの収入金額に応じた介護保険料を支払わなければなりませんが、老人扶養控除を適用することで、その額が上がってしまう場合があります。

また介護サービスの利用料は、世帯の全員が住民税を課税されていない場合と世帯に住民税を課されている人がいる場合では、その上限額は大幅に増加します。

老人ホームの利用も、食費や居住費が高くなってしまう場合があります。

これらは各々の金額の計算が、世帯収入金額や納税額に基づいて行われ、老人扶養親族は扶養者と同一世帯であるとみなされるからです。

老人扶養親族のよもやま話・豆知識

老人扶養親族の住民税の控除

住民税にも老人扶養親族の控除があり、同居老親以外は38万円、同居老親は45万円となっています。

所得税は、老人扶養親族控除を適用することによって、課税所得額が変わり税率が下がるなど変化することがありますが、住民税の税率は、給与収入の額に関わらず、一律10%となっているため、老人扶養親族控除を適用で、同居老親以外は38000円、同居老親は45000円の軽減となります。

また住民税の障がい者の控除は26万円、特別障がい者は30万円、同居特別障がい者は53万円となりそれぞれ加算されます。

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