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無形固定資産

2022-11-302022-11-30

一言でいうと?

無形固定資産(むけいこていしさん)とは、「有形固定資産」、「無形固定資産」、「投資その他の資産」に分かれる固定資産のひとつで、1年を超えて利用される固定資産の中の、物理的な形態を持たない資産を指し、その種類には、法律上の権利や営業権などがあります。

無形固定資産とは

無形固定資産とは、具体的な形態を持たない固定資産で、主な資産には特許権、商標権、実用新案権、意匠権、のれん(営業権)、地上権、鉱業権、電話加入権、ソフトウェアなどがあります。

無形固定資産のうち、時の経過とともに資産価値が減少するものは減価償却資産となり、土地の借地権、電話加入権など以外は、使用可能期間にわたって減価償却をします。

また使用可能期間が1年未満のものや取得価額が10万円未満のものは、固定資産には当たらず、減価償却をしない『消耗品』などの勘定科目として、使用した年に計上します。

無形固定資産の種類

無形固定資産の種類は、利特許権としては、実用新案権、商標権、意匠権など、契約で与えられる権利としては、電話加入権、電気ガス供給施設利用券、鉱業用施設利用券など、収益力資産としてはのれん、営業権、漁業権、ソフトウェアなどがあります。

さらに無形固定資産は、減価償却をするものと減価償却をしないものに分けられます。

無形固定資産の減価償却

無形固定資産の評価は、取得価額または未償却残高から毎期の減価償却額を差し引いた金額をもって貸借対照表価額とするのが一般的です。

無形固定資産の減価償却の方法は、定額法によることとされていますが、鉱業権については生産高比例法も認められます。

無形固定資産の中でも減価償却しないものもいくつかあり、例えば、土地の上に存在する権利の借地権、地上権、地役権、そして電話加入権なども減価償却は行いません。

無形固定資産の減価償却計算方法

減価償却の計算方法には定額法と定率法という2つの方法がありますが、無形固定資産の減価償却の計算は、例外を除いては定額法しか選択できません。

定額法では、単純に『購入価格×耐用年数に応じた償却率』という計算式で年間の減価償却費を求めます。

法定の耐用年数は各々定められており、無形固定資産は残存価額を0で計算します。

例えば300万円で実用新案権を購入したとして、実用新案権の耐用年数は5年ですので、『300万円×00.2(耐用年数5年に応じる償却率)=60万円』となり、1年あたりの減価償却費60万円を5年間毎年計上することになります。

無形固定資産の耐用年数

無形固定資産の法定の耐用年数は各々定められており、特許権は8年、商標権は10年、実用新案権は5年、意匠権は7年、漁業権は10年、ソフトウェアは3年または5年、営業権(のれん)は5年、電気ガス供給施設利用権は15年、鉱業権は、既定の方法で算出し納税地の所轄税務署長が認定した年数などとなっています。

その他の無形固定資産も法定の耐用年数が定められています。

無形固定資産のよもやま話・豆知識

自社で使うソフトウエアと販売目的のソフトウェア

実務で扱うことが多いソフトウエアには、無形固定資産になるものとそうでないものがあります。

自社で使うためのソフトウエアは、『将来の収益の獲得に役立つ場合』か『費用削減になる場合』かどちらか一方が確実である場合のみ無形固定資産に計上します。

例えば、業務の効率化やコストカットに役立つ会計ソフトや業務管理のためのシステム既成品ソフトであれば、無形固定資産に計上するものと考えても結構です。

上記のいずれも確実とはいえない場合は、その目的に合わせて費用処理します。

販売目的で制作したソフトウエアについては、その製品の原本の制作費は無形固定資産に計上します。

ただし、その他の会計の金額は費用処理することが求められる可能性がありますので、詳しくは税理士に相談しましょう。

なお、製品原本を複写して商品にしたものは棚卸資産になります。

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