グループ通算制度
2022-06-142022-06-14
一言でいうと?
グループ通算制度(ぐるーぷつうさんせいど)とは、完全支配体制にある企業グループのなかでそれぞれの法人をひとつの納税単位と考え、それぞれが法人税に関して計算から申告、納税までを行うしくみのことです。
グループ通算制度を知ろう
グループ通算制度は、2020年に公布され2022年4月1日より適用された比較的新しい税金に関する制度です。
この制度は法人税に関するものなので、個人ではなく、法人に関して知っておくべきものです。
これは以前からある「連結納税制度」が見直されて、新たに移行先として設立されました。
グループ通算制度の対象になる法人とは一体どんな条件に当てはまる法人なのか、この制度を適用させるにはどうしたらいいのか、などグループ通算制度にまつわることをそのイロハから解説します。
グループ通算制度の概要
グループ通算制度は、前制度(連結納税制度)と同様に、選択制をとっているためこの制度を採用するかどうかは選ぶことができます。
グループ通算制度とは、完全支配体制にある企業グループのなかでそれぞれの法人をひとつの納税単位と考え、それぞれが法人税に関して計算から申告、納税までを行う制度のことを指します。
2022年4月1日以降開始した事業年度より適用されます。
国税庁のウェブサイトには、公布された時点から施行された現在に至るまで多くの資料が公開されています。
グループ通算制度を適用できる法人とは
グループ通算制度を選択することのできる法人には条件があります。
子会社がある、だけではその条件に当てはまるかは定かではないので注意しましょう。
国内にある法人、または国内の法人との間に完全支配関係がある国内の法人が適用対象です。
それらすべての法人は国税庁長官の承認を受けなければなりません。
適用を申請する際に承認を受けるよう申し出ますが、申請は却下される可能性もあります。
やむを得ない事情がある場合は、この制度を取りやめることも可能です。
グループ通算制度と連結納税制度
以前まで存在していた「連結納税制度」は、親会社も子会社もひとまとめにみなし、ひとつの申告書をもって法人税を納める制度でした。
前制度は、一個修正点が出ただけでも多くの作業が必要になるなど、事務負担の面でフレキシブルさに欠けていると頭を悩ませる税制度として有名でした。
これを解決させる為に改正された制度が、グループ通算制度です。
現行制度では、親会社や子会社らをひとつひとつの納税単位とみなします。
これによって、より事務作業の負担を軽減させることが実現しました。
グループ通算制度のよもやま話・豆知識
グループ通算制度のメリット
グループ通算制度には節税できるメリットがあります。
これは損益通算が可能な為に得られる利点です。
そのほかにも、外国税の控除や研究開発税制の税金控除の恩恵が受けられます。
これらは前制度である連結納税制度と同様のメリットで、これまで連結納税制度でこれらの恩恵を受けていた法人は安心して継続できます。