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県民税

2023-01-122023-01-12

一言でいうと?

県民税(けんみんぜい)とは、地方税法に基づき、法人及び個人に対して、県が課す税金であり、道民税・府民税と合わせて道府県民税、また都民税とも合わせた場合は、都道府県民税と呼ばれます。

県民税とは

県民税とは、公共施設、上下水道、ごみ処理、学校教育といった行政サービスの財源となる税で、市町村民税と合わせて、住民税と呼ばれています。

個人に対して課すものを個人県民税、法人の事業に対して課すものを法人県民税と呼びますが、法文上は同一の税目となります。

個人の住民税として、県民税と市町村民税とが一括で納められた場合は、市町村が市町村民税を徴収したあと、県民税を県に納めます。

県民税の申告

県民税は、会社員の場合は、給与から天引きされますので申告の必要はありませんが、副業がある場合は、申告催促の通知が届くことがあります。

個人事業主の場合は、確定申告を行えば税務署が申告内容を市区町村へ通知しますので、県民税の申告を行う必要はなく、送られてくる請求書に従い納めますが、同時に住民税は、確定申告書に記載された所得金額をベースに算出されるので、青色申告や白色申告の特別控除も税額に反映されます。

法人の場合は、県民税 は県税事務所等、市町村民税は市役所等に申告して納めます。

個人県民税の賦課方法

個人県民税は、その年の1月1日現在で居住しているところ(原則として住民票の住所)で課税されますので、翌日の1月2日以降に他の市町村へ転居しても、1月1日現在で居住していた市町村に県民税を全額納付しますが、その年の住民税は転居先の市町村から課税されることはありません。

週末に、住民票のある実家に帰る場合には、実家の市町村にて課税されます。

個人県民税の納付税額は、前年の1月から12月までの所得に応じて計算される「所得割」と、各市町村によって税額が異なりますが、一定額で課される「均等割」を合算した額となります。

個人県民税・市町村民税の税額と税率

個人県民税・市町村民税の税額と税率は、2007年以降は下記の表の通りですが、東日本大震災からの復興に関し地方公共団体が実施する防災のための施策に必要な財源の確保に係る地方税の臨時特例に関する法律により、2014年6月からは新たに市町村税が500円、道府県民税が500円増額されました。

なお、所得割などには、各市町村、都道府県により多少の違いがある場合があります。

利子割、配当割、株式等譲渡所得割はいずれも一定税率であり、条例で税率を変更することはできません。

2007年~2013年個人県民税・市町村民税の標準税率表

種別市町村民税道府県民税合計
所得割6%4%10%
均等割3,000円1,000円4,000円
利子割なし5%5%
配当割なし5%5%
株式等譲渡所得割なし5%5%

2014年~2023年個人県民税・市町村民税の標準税率表

種別市町村民税道府県民税合計
所得割6%4%10%
均等割3,500円1,500円5,000円
利子割なし5%5%
配当割なし5%5%
株式等譲渡所得割なし5%5%

この標準税率に加え、環境保全等のため、森林環境税として道府県税に300円から1,200円程度追加している自治体が多くなっています。

法人県民税・市町村民税の賦課方法

法人の県民税と市町村民税は「均等割」と「法人税割」の合算となります。

「均等割」は、県民税では法人の資本金の額、市町村民税では法人の資本金の額と従業者数で払う税金の額が分けられており、同一区分、同一額をとなります。

「法人税割」は、国に支払う法人税額を基準にした都道府県や市町村に払う税金で、儲かっている法人ほど税額が高くなります。

つまり「法人税割」は、黒字の法人だけが払うのに対し、均等割は赤字の法人も払わなければならないので、地域社会の一員として支払う会費という性格が強くなります。

法人県民税・市町村民税の「均等割」

県民税の均等割は資本金額、市町村民税の均等割は資本金と従業者数により区分されます。

また年の途中で移転した場合の法人県民税の均等割の額は、月割りで計算しますので、年間で、複数の地域に支払う場合がありますが、二重に支払うことはありません。

法人県民税・市町村民税の「均等割」の標準税額表

(単位:円)

資本金1千万以下1千万超1億以下1億超10億以下
県民税均等割2万5万13万54万80万
市町村民税均等割
(従業員50人超)
12万15万40万175万300万
市町村人税均等割
(従業員50人以下)
5万13万16万41万41万

※資本金50億円以下、50億円超区分もあります。

法人県民税・市町村民税の「法人税割」の標準税率

法人が国に納めた法人税額に一定税率を乗じた額が法人税割の税額になります。

(都道府県民税)法人税額 × 1.0%

(市町村民税) 法人税額 × 6.0%

県民税(住民税)が非課税となる条件と控除

法人で、県民税が非課税になるのは、公共法人(地方公共団体や組合など)、収益事業を行わない公益法人(学校法人、宗教法人など)など一部に限られます。

個人の県民税は、以下のいずれかの条件を満たすと均等割、所得割ともに非課税になります。

生活保護の受給者

未成年者、障がい者、寡婦

ひとり親で前年の合計所得が135万円以下(所得が給与所得のみの場合は、給与収入が204万4000円未満)

前年の合計所得額が各地方自治体の定める額以下

老人扶養親族や障がい者の被扶養者には、県民税の控除があります。

県民税のよもやま話・豆知識

道府県民税と都民税

都民税は、東京都の道府県民税であり、道府県民税と税額の計算法もほぼ同じですが、東京都の特別区は市町村ではないので地方税法上は別扱いになっています。

なお東京都に住んでいる人の住民税を表すと、23区内に住んでいる人は「都民税+特別区民税」となり、23区外に住んでいる人は「都民税+市町村民税」となります。

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