軽減税率
2022-01-262022-02-08
一言でいうと?
軽減税率(けいげんぜいりつ)とは、10パーセントに引き上げられた消費税を、特定の品目に限り課税率を今まで通りの8パーセントの税率とする制度を指しています。
軽減税率の目的
軽減税率制度の本来の目的は、生活における負担を減らすために整備された物です。
つまり消費者が生活に最低限必要と定められた物に関しては、消費税率が据え置かれます。
軽減税率の対象品目
軽減税率の対象は、酒類・外食を除く飲食料品と定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞が対象となっています。
以下に解説していきます。
軽減税率の対象となる飲食料品関連品
飲食料品や、テイクアウト・宅配、や学校給食などが該当します。
外食は含まれません。
週2回以上発行される新聞
こちらの条件は、政治、経済、社会、文化等に関する一般社会的事実を掲載していること、週2回以上発行していること、そして定期購読契約されていることです。
一体資産型の食品等
これは、例えばおもちゃやおまけ付きのお菓子等、食品と食品以外がセットになっている商品のことです。
一体資産のうち、税抜き価格が1万円以下、かつ食品部分の価格の割合が全体価格の2分の3以上の場合は軽減税率の対象となります。
軽減税率と標準税率の計算具体例
例えば、レストランの店内で2000円分食事をした場合と、同じ商品をテイクアウトした場合では税率が異なり、以下のような差が生まれます。
・店内での食事 2,000円 × 1.10(消費税10パーセント)=2,200円(税込)
・テイクアウト 2,000円 × 1.08(消費税8パーセンチ) =2,160円(税込)
上記の例では40円の差が発生しています。
当然商品の価格が高く、来店する人数が増えれば差額は大きくなり、注意が必要です。
事業者が考慮すべき軽減税率
軽減税率によって、事業者は10パーセントと8パーセント、2種類の税率に対応する必要があります。
そのために複数の税率に対応できる設備を整えたりしなければなりませんし、また、経費処理が複雑になってしまう場合もあります。
軽減税率に対応したレシート発行
事業者は軽減税率の商品と標準税率の商品が区別できるレシートを発行しなければなりません。
例えば、印字するレシートには軽減税率対象品目の横に※を付けて、※消費税8パーセントと記載するなどの方法があります。
このため事業者は複数税率に対応したレジシステムの導入や改修などが必要になる場合があります。
また、日々の業務において、仕入れの際、取引先や仕入れ先等から請求書や領収書の発行を求められる場合や、販売時に消費者から適用税率を尋ねられる場合があるため、商品の価格に対しての適正な把握と適切な管理が必要となります。
経理処理が複雑になる可能性
軽減税率の実施にともない、事業者は確定申告の際、適切な消費税額を計算するために、軽減税率が適用される売上、仕入と標準税率が適用される売上、仕入を区分して記帳する必要があります。
また税額計算についても、当然軽減税率と標準税率を区分して計算、計上しなければならず経理処理が複雑化する場合もあります。
さらに、納税に関連して2019年10月から「区分記載請求書等保存方式」が導入されています。
これは、請求書を発行する際、今までの内容に追加して、軽減税率対象品目である旨、と、税率ごとの合計額を合わせて記載する必要があり、ここでも注意が必要となります。
軽減税率のよもやま話・豆知識
テイクアウトと外食(イートイン)はどこで分けられるのか
軽減税率で混乱しがちなものに、テイクアウトと外食(イートイン)の区分があります。
外食の定義については政府が正式に発表しており、取引が行われる場所と取引の態様という点から、以下の2点を満たす場合は外食の扱いになります。
場所要件:飲食設備、つまりテーブル、椅子、カウンターなどの飲食に用いられる設備がある
サービス要件:飲食をさせるサービスがあること