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法人

2022-12-012022-12-01

一言でいうと?

法人(ほうじん)とは、自然人と違って、法律で認められた人格を与えられた組織のことをいい、法人として認められれば、自然人にのみ認められている法的権利・義務である、「商品を売買する」、「税金を納める」、「民事訴訟を起こす」ことなどを、法人という組織として、自然人と同じように行えるようになります。

法人とは

社会生活の経済活動上、「人」の概念は「自然人(=個人)」と「法人(=組織)」の2つに分けて考えられます。

法人とは、法律によって「人」と同じ権利能力を与えられた「組織」のことです。

多様な社会生活の中では、個人同士のやりとりでは種々の活動がスムーズにいかずに滞ってしまう場合があるため、「組織」として、人と同じ権利を与えて活動しやすくしたのが「法人」という概念です。

組織としての法人の特徴と種類

組織を表す言葉には、法人の他に、「企業」、「会社」という言葉もありますが、「企業」には個人・法人のどちらの事業主の場合もあり、「会社」は、法人の中の営利法人のひとつであるので、一番大きな組織の概念は企業、その次が法人、その次が会社という順になります。

法人は、その性質から「私法人」と「公法人」に分けられ、その内容も多種多様となります。

私法人とは

私法人とは、私的な社会活動を目的として、私人が設立した私法上の法人のことで、会社や私立学校が該当します。

私法人はさらに「営利法人」と「非営利法人」に分かれます。

営利法人とは

営利法人とは、法人を構成する人への利益分配を目的とした法人のことで、「株式会社」、「合名会社」、「合資会社」、「合名会社」の4つをいいます。

株式会社は、出資した株主へ利益を還元することを前提に、経営者が会社を営みます。

非営利法人とは

非営利法人には、「一般財団法人」や「公益財団法人」、「一般社団法人」、「公益社団法人」、「社会福祉法人」、「NPO法人」、「宗教法人」などがあります。

非営利法人の事業であがった利益は​​​​、社員の給与や団体の活動のために使われ、理事などの構成人に分配されることはありません。

公法人とは

公法人は、国または公共の事業を行うことを目的とする法人のことで、「地方公共団体」や「独立行政法人」、「特殊法人」などがあります。

「地方公共団体」は、都道府県や市町村単位で行政活動を行う行政機関です。

「独立行政法人は」、国の各省庁から、事務・事業の一部を分離・独立させた法人で、造幣局や国立公文書館などがあります。

また「特殊法人」は、法律により業務内容を規定された法人で、日本放送協会(NHK)や日本年金機構などがこれにあたります。

開業における法人か個人事業主かの選択

起業する場合、法人ではなく個人事業主として経営するという選択もできます。

どちらを選択したら良いかは、事業の形態や時期などによっても変わってきますので、それぞれの特徴や利点をよく理解することが重要となります。

法人と個人事業主の違い

資本金は、法人は必要ですが、個人事業主は必要ではありません。

設立費用も、法人の株式会社は登記費用などで25万円程度かかりますが、個人事業主は不要です。

決算月日は、法人は好きな日でよいですが、個人事業主は12月31日です。

確定申告は、法人は決算月日から2カ月ですが、個人事業主は3月15日です。

税金は、法人は、法人税、法人住民税、法人事業税、消費税、個人事業主は、所得税、住民税、消費税、個人事業税などです。

赤字の繰越決算はそれぞれ青色申告者に認められており、法人は10年間で、個人事業主は3年間です。

個人事業主のメリット・法人のデメリット

上記の違いに加えて、法人と個人事業主には、様々なメリット・デメリットがあります。

個人事業主は税務署に「開業届」を提出するだけで開業でき、法人のような許認可申請や複雑な手続きも少なく、登記費用もかからないのがメリットです。

法人の大きなデメリットは、赤字であっても法人住民税の均等割がかかることです。

そして法人は、個人事業主と違い社会保険への加入を義務づけられます。社員が社長1人でも加入が必要で、社会保険料を負担しなければなりません。

個人事業主のデメリット・法人のメリット

上記の違いに加えて、法人と個人事業主には、様々なメリット・デメリットがあります。

個人事業主は、法人と比較すると対外的な信用を受けづらく、融資を受ける際不利になり易いのがデメリットです。

個人事業主の所得税は累進課税が適用され、所得が高くなるにつれ税率が上がり、法人よりも税率が高くなる場合もあります。

法人は、自身に給与を払い給与所得控除を適用したり、家族に給与を払ったり、定期同額給与であれば経費に計上できたりします。

法人は退職金の支給もでき、毎月の給与を下げて退職金を多く支払う所得税や社会保険料の節税対策もできます。

退職金は、所得控除など税負担軽減の優遇措置があります。

法人と個人事業主のどちらを選ぶか

総合的な視点から見ると、事業内容などの相性もありますが、事業規模が小さいうちは、個人事業主で経営し、ある程度拡大してきたら、法人成りをするのが一般的にメリットが大きくなると言えるでしょう。

法人と個人事業主の大きな違いとして「税金の種類」があり、法人は個人事業主に比べて経費として計上できる範囲が広く、所得によっては法人の方が節税額が大きくなります。

法人のよもやま話・豆知識

法人としての有限会社の変遷

有限会社は、資本金が300万円以上、出資する社員が50名以内、取締役1人以上の会社法人のことで、株式会社に比べると会社を始めるのが容易で、そのため多くの法人がこの形態をとっていました。

しかし有限会社は2006年施行の会社法により新規設立ができなくなり、それまでに設立された有限会社は株式会社に変更するか、「特例有限会社」として存続するかのどちらかを選ぶことになりました。

なお特例有限会社は、法律上、株式会社の一部として扱われます。

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