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配当課税

2023-05-162023-05-16

一言でいうと?

配当課税(はいとうかぜい)とは、株式等の配当を得た場合にかけられる税金のことで、所得税と復興特別所得税、地方税が源泉徴収されますが、上場株式の配当の配当課税の支払いにおいては、確定申告をして総合課税か、申告分離課税かのどちらかを選択することもできます。

配当課税とは

配当課税とは、公募株式や投資信託などによる収益分配に対する課税方法の総称で、配当所得は、支払い時に源泉徴収されるため、原則、確定申告は不要です。

ただし、上場株式の配当課税の支払いにおいては、確定申告を行えば、総合課税(配当控除の適用あり)と申告分離課税(株式等の譲渡損失との損益通算)が選択できます。

配当課税における「配当所得」とは

配当課税における配当所得とは、株主や出資者が法人から受ける剰余金や利益の配当、剰余金の分配、基金利息、投資法人からの金銭の分配または投資信託(公社債投資信託および公募公社債等運用投資信託以外のもの)および特定受益証券発行信託の収益の分配などに係る所得です。

配当所得の金額の計算は、[収入金額(源泉徴収税額を差し引く前の金額) - 株式などを取得するための借入金の利子]となり、利子は元本のその年における保有期間に対応する部分となります。

配当課税の3つの課税方式

上場株式等に係る配当所得等に係る配当課税の課税方式については、(1)申告不要方式(源泉徴収)、(2)総合課税方式、(3)申告分離課税方式の3つの課税方式があります。

配当課税で「申告不要方式」を選択する場合

配当課税における申告不要方式とは、他の所得と全く分離して、所得の支払の際に一定の税率で源泉徴収し、源泉徴収のみで課税関係が終了する方式です。

上場株式などの配当金は源泉徴収されているため、申告不要となり、申告不要とした所得は、合計所得金額にも含まれません。

上場株式の配当金(大口株主以外)に対する源泉徴収税率は、合計20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%、住民税5%)となります。

配当課税で「総合課税方式」を選択する場合

上場株式の配当課税で確定申告をし「総合課税方式」を選択すると、配当所得を事業所得や給与所得等の各所得金額と合算して所得税額を計算することになります。

所得税は累進税率、住民税は10%で計算されますが、配当控除が適用できます。

配当控除は、配当所得が法人税を引いた残りの分配である為、所得税との二重課税を還元する制度で、課税総所得金額等が1,000万円以下の場合、配当所得の金額×10%が税額から控除されます(1,000万円超の部分は5%)。

住民税の配当控除は、配当所得の金額 × 2.8%です。

配当課税で「総合課税方式」を選ぶメリット

配当課税で確定申告を選び、「総合課税方式」を選ぶメリットが発生するのは、所得が一定以下の会社員の場合などです。

配当金を源泉徴収で納税した場合の税率は20.315%ですが、総合課税では、他の所得と合算の上、累進課税となり15~55%の累進税率(住民税も含む)で税金を計算します。

総合課税では配当控除が受けられるため、現在の試算では、税率が20.315%より低くなる課税所得金額695万円未満の場合に「総合課税方式」を選ぶメリットが発生すると言えます。

配当課税で「総合課税方式」を選ぶデメリット

配当課税で確定申告を選び、「総合課税方式」を選ぶデメリットは、所得が一定額より多い場合申告することで納税額が増える、合計所得金額が増え配偶者控除などの控除が受けられなくなることがある、国民健康保険などの保険料が増えることがあるなどです。

配当課税で「申告分離課税方式」を選択する場合

上場株式などの配当所得の配当課税で確定申告を選び、申告分離課税を選択すると、上場株式などの「譲渡損失との損益通算」や「繰越控除の適用」を受けることができます。

申告分離課税の税率は、20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%、地方税5%)で、配当控除はありません。

配当課税の「申告分離課税方式」を選ぶメリット1

配当課税で確定申告を選び、「申告分離課税方式」を選択した場合で、株式の売買などで損失が出ている場合、その損失と配当所得を相殺(損益通算)することができます。

損益通算することで、源泉徴収されていた配当所得への所得税などが還付されます。

配当課税の「申告分離課税方式」を選ぶメリット2

配当課税で「申告分離課税方式」を選択した場合、上場株式などの譲渡損失はその年で控除しきれなかった場合3年間損失を繰り越すことができ、今年の損失を翌年の配当所得で損益通算することができます。

配当課税で「申告分離課税方式」を選ぶデメリット

配当課税で確定申告を選び、「総合課税方式」を選ぶデメリットは、合計所得金額が増え配偶者控除などの控除が受けられなくなることがある、国民健康保険などの保険料が増えることがあるなどです。

大口株主・非上場株式の配当の場合の配当課税

大口株主とは、発行済株式の総数等の3%以上に相当する数又は金額の株式等を有する個人をいいます。

大口株主等が支払いを受ける上場株式等の配当等及び上場株式等以外の配当(非上場株式の配当等)の配当課税ついては、総合課税の対象となりますので、配当課税の申告分離課税や確定申告不要制度を選択することはできません。

上場株式等以外の配当等や上場株式等の配当等(大口株主等が支払を受けるもの)に係る配当所得の配当課税に対しては、所得税等(20.42%)のみが源泉徴収されています。

少額配当の場合の配当課税

上場株式等の配当等および投資法人からの金銭の分配(大口株主等以外)ではない場合で、「少額配当」である場合には、配当課税では「申告不要方式」を選択することができます。

少額配当とは、株式等の配当金のうち、1銘柄につき1回に支払いを受ける金額が10万円に配当計算期間の月数を掛けてこれを12で割り計算した金額以下の配当金のことです。

上場株式等以外の配当等や上場株式等の配当等(大口株主等が支払を受けるもの)に係る配当所得の配当課税に対しては、所得税等(20.42%)のみが源泉徴収されています。

配当課税の「所得税」と「住民税」の課税方式の一致

令和3年度(2021年度)の税制改正では、配当課税の普及促進のため、所得税の確定申告書に記載するだけで、所得税と異なる住民税の課税方式選択ができる手続の簡素化がなされましたが、令和4年度(2022年度)の改正では、異なる課税方式が選択できなくなり、所得税と住民税との課税方式を一致させることになりました。

この配当課税での所得税と住民税との課税方式を一致させる改正は、令和5年度(2023年度)分以後の所得税、令和6年度(2024年度)分以後の個人住民税について適用されます。

配当課税のよもやま話・豆知識

配当課税の対象と間違いやすい雑所得と事業所得

配当課税の対象と間違いやすい雑所得と事業所得には以下のようなものがあります。

株主優待乗車券、株主優待入場券、株主優待施設利用券などは、配当所得ではなく雑所得となります。

また協同組合員による組合を利用した分量に応じて分配を受ける事業分量配当、農事組合法人などの従事分量配当(組合員に給与を支給しない時)などは、配当所得ではなく事業所得となり、配当課税の対象とはなりません。

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