益金
2022-05-182022-05-18
一言でいうと?
益金(えききん)とは、利益だと言い切ることはできない法人税法内で登場する語句です。
益金=利益のことなのか
「受取配当等の益金不算入」という言葉などで耳にする「益金」とはいったいどういうものなのでしょうか。
利益の「益」の字から推察するに、収益や所得額と同じ意味だと考える人も少なくないでしょう。
しかし、それらをイコールで結ぶことはできません。
本稿では、益金についてしっかり理解をするためにその言葉が示すものの範囲などを詳しく解説します。
益金とは
税法で定められた「益金」の定義のなかに存在する要素は実に多く存在しています。
しかし益金とは、法人税の話で出てくる語句なので、会計上などで使う利益という語句とは別物だと言えます。
これは、税法と会計で、利益そのものの捉え方が異なる為です。
法人税が課せられる際には、会社の所得が見られますが、この会社の所得とは益金から損金を引いた額を指します。
これに対して、会計の利益を計算する場合は収益から費用を差し引く必要があります。
会計上と法人税関係の違いがあることを押さえておきましょう。
益金の算入と不算入とは
益金と利益は別物だと理解した上で考えると、益金を計算するためには、会計の利益に調整を加える必要があることも理解できると思います。
利益の計算では鑑みなかった項目のうち、法人税の益金を大きくする項目を益金算入項目などと言われます。一方で、法人税の益金を小さくするものを益金不算入項目などと言うこともあります。
益金だけでなく、損金に関しても算入、不算入が存在します。
益金算入項目の例として、会計において売り上げの計上ができていないものが見つかった場合などが挙げられます。
受取配当等の益金不算入とは
これは株式のやり取りで出現する受取配当等に関する不算入に関する制度です。
会計上、配当を支払う側の法人のところで、法人税が課税された後の利益から支出される配当金については、その配当を受け取る側の法人においては収益になります。
しかし、そうなると、「受取配当等」は法人税が課税された後の所得について配当を受け取る側で二重に課税されることになりますから、その際に二重の税金を徴収しないためにこの規定が設けられています。
これ以外の不算入が用いられる例としては、税金が還付された際などが挙げられます。
益金のよもやま話・豆知識
益金について注意すべきこと
益金を増やすことは単純に考えれば、業績を伸ばすことに同義に思えますが、そうとも限りません。
益金算入項目が増えれば所得は増えますが、それだけ税金の負担も増えます。
その兼ね合いによってはかえって損をしかねません。
法人税との賢い付き合い方で、法人を成長させることを考えましょう。