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直接税

2023-01-272023-01-27

一言でいうと?

直接税(ちょくせつぜい)とは、納税者が国や地方公共団体に直接納めるもので、担税者(税金を負担する人)と納税義務者(税金を納める人)が一致する税となり、直接税には、所得税・法人税・相続税・住民税などが該当します。

直接税とは

直接税は、税金の徴収方法の一つで、その名の通り、納税者が直接税金を支払う税金であり、税金を国や地方自治体へ納める納税義務者と、税金を負担する担税者が同一となります。

一方、間接税は、担税者が、事業者などの納税義務者を通じて間接的に納める租税で、消費税はその代表格です。

直接税では、所得額や種類により税の負担度が異なる場合があり、累進税率や、控除など負担能力に応じた対応もありますが、原則として所得が増えれば増えるほど税金も増えます。

一方間接税では、高所得・低所得に関わらず税金を一律に徴収します。

直接税の種類

直接税には、所得税・復興特別所得税、法人税、相続税、贈与税、住民税、事業税、自動車税・軽自動車税、不動産取得税、固定資産税などがあります。

このうち国税における直接税には、所得税、相続税、法人税があり、地方税における直接税には、住民税、事業税、自動車税、固定資産税などがあります。

一方間接税には、消費税、酒税、揮発油税、たばこ税・たばこ特別税、道府県たばこ税・市町村たばこ税、関税、印紙税、ゴルフ場利用税、軽油取引税、入湯税などがあります。

直接税の公平性

税金の公平さは、主に「垂直的公平」と「水平的公平」の2つの側面から図られますが、直接税は「垂直的公平」に優れていると考えられています。

能力の高い人ほど税金を納める能力が高いと考えられるため、より多くの税金を納めるのが公平であるという考え方で、直接税は累進課税や控除の制度を設けることによって、その支払い能力に応じた課税ができるとされています。

一方間接税は、所得の内容に関係なく、消費の内容が等しいときに等しい負担を求めることができるため「水平的公平」を図るのに優れているとされています。

直接税と間接税の割合を示す「直間比率」

税収に占める直接税と間接税の割合を示す直間比率は国によって異なり、米、英、独・仏と比べた場合、日本は米国に次いで直接税の比率が高い国となっています。

一部の分析では、国税の直間比率は日本60:40、米94:6、英58:42、独46:54、仏54:46となっています。

しかしどの国も収入や財産に応じて課税される直接税、収入に関わらず一定税率が課税される間接税を組み合わせることでバランスを保つようにしている点では類似しています。

直接税の長所・短所

直接税の長所は、多くの収入を得られる人から多くの税金を取得するといった柔軟な対応ができるため、貧富の差を解消し、「所得の再分配」の実現のための有効な手段になると考えられていることです。

また景気が低下し、給料が減った場合には、累進課税などにより税金も軽減され、景気が急降下することを防止できるという利点もあります。

しかし逆に、所得が増加した場合に、税金も一気に上がるように感じられるため、仕事を頑張っても手取り額がそれほど増えない、事業意欲や勤労意欲が失われるといった指摘もあります。

直接税のよもやま話・豆知識

シャウプ勧告と直接税

元々、日本の税制は、直接税中心でしたが、戦中体制において戦費調達を目的として間接税の新設と強化が行われ、非常に多くの種類の間接税が課されました。

しかし、第2次世界大戦後、1950年のシャウプ勧告にもとづく税制改革が行われ、シャウプ税制の直接税を中心とした、理論的に首尾一貫した体系のもとで、間接税は、酒税、専売益金、関税等を除き、かなりを廃止され、これが日本の税制の基盤となっていきました。

その後、1989年の消費税(間接税)の導入により、再びその体制にも大きな変化が訪れることになりました。

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