税務調査に強い税理士かどうかをどうやって見抜けばいいか

税務調査＝怖いというイメージ

税務調査は突然やってきます。何もやましいことがなくても、税務調査という言葉は、納税者を一気に緊張させるほどに威力を持っています。

日々の帳簿や経理、会計の管理を適正に行っていれば何の問題もありませんが、もしかしたら、それが間違っているのではないかと指摘されたら、きっとどう反論すべきかわからない人が圧倒的に多いでしょう。

そこに加えて、もしも税務調査官が高圧的な態度で税務調査をしてきた場合、更に萎縮してしまうことは間違いありません。

実際に税務調査官も様々で、低姿勢な税務調査官もいれば、そうでない税務調査官もいるため、後者にあたった場合、税務調査の対応をしてもらう税理士にはそれなりの交渉力が求められます。

税務調査に強い税理士は元国税OB税理士

税理士には試験組税理士と元国税OB税理士の2種類に分けることができます。試験組税理士とは、税理士試験を受験し、合格した税理士を指します。それに対して元国税OB税理士は、過去に国税局等々に一定期間勤務していた税理士です。国税局等々に一定期間勤務すると、税理士試験が免除されて自動的に税理士になることが可能だと税理士法においては定められています。

試験組税理士は受験勉強をして税理士資格を取得したため知識が豊富です。しかし元国税OB税理士は、国税局などの勤務で得た税務調査の経験が非常に豊富で、試験組税理士が得ようと思ってもそう簡単に得ることができない「税務調査の経験」という大きな武器を持っています。

知識はあとからでも得ることが可能ですが、経験はそうはいきません。税務調査に強い税理士かどうかを見抜く際には、元国税OB税理士かどうかは必ず確認しましょう。

元国税OB税理士の全てが税務調査に強いわけではない

ただし、「元国税OB税理士は税務調査に強い」とひとくくりにしてしまうのは少々危険です。なぜなら「元国税」という言葉には意味が複数あるからです。

国税という組織は非常に大きく、そこに勤めている人数も、部署も、役職も多岐にわたります。これは民間企業と同じで、人事や総務、営業、経理などが様々あるように、国税の中にも税務調査に関わる部署とそうでない部署で分けられています。

つまり元国税OB税理士に依頼する場合、国税で具体的にどんな部署で、どんな肩書で、どんな業務に従事していたかが重要ということになります。「総務をしていた元国税OB税理士」では、税務調査の経験が豊富とは言えません。税務調査の対策で税理士に依頼する際は、この点も重視すると良いでしょう。

税務調査に強い税理士は日々知見を深める努力をしている

税理士の仕事と聞くと、記帳や確定申告の代行などをイメージする方は多いと思いますが、実際の税法は非常に複雑で多岐にわたります。記帳や確定申告は、その中でも非常に簡単で、会社の分割や売却、組織再編、IPO支援内部統制、事業承継、国際税務などは、それらとは比較にならないほど理解が困難です。

そのため税務調査に強い税理士かどうかを見抜くためには、税務や税法について日々勉強しているかどうかは確認すると良いでしょう。

税理士は、一度税理士資格を取得すると、それ以降更新はないため、一生涯税理士でいることができてしまいます。ですから税務調査を依頼する場合、その税理士が税務について詳しいかどうか、実務経験があるかどうか、最近の税法を勉強しているかどうかは必ず確認することをおすすめします。