あなたに寄り添う税理士 税務調査対策ドットコム 24時間受付中 税務調査対策の依頼はこちらから

有効な節税策である日当と旅費規定

2022-05-122022-05-12

日当という節税

税務上、大きな節税の一つに、日当があります。日当とは、出張した場合に認められる交通費や宿泊費以外の手当で、出張手当などともいわれます。出張すれば、通常の勤務と異なり諸雑費がかかることもありますので、その諸雑費に充てるために支給されることになります。

この日当が税務上有利なのは、原則としてそれを受け取った従業員の所得税が非課税になることに加え、支給した法人の経費になり、かつ消費税についてもそれが国内出張であれば消費税の控除も認められるからです。給与などの手当ては消費税の控除の対象になりませんが、通勤手当と日当はその例外になっています。

所得税が非課税になる要件

次に、日当の所得税が非課税になる要件ですが、それは支給金額等が「目的、目的地、行路若しくは期間の長短、宿泊の要否、旅行者の職務内容及び地位等からみて、その旅行に通常必要とされる費用の支出に充てられると認められる範囲内」にあること、とされています。この範囲内の金額かどうかは、国税の通達において、以下の基準で判断されるとされています。

1 支給額が、その支給をする会社などの役員・使用人の全てを通じて適正なバランスが保たれている基準によって計算されたものかどうか

2 その支給額が、その支給をする会社と同業種、同規模の他の会社などが一般的に支給している金額に照らして相当と認められるものであるかどうか

旅費規程が必要になるといわれるが

上記1において、役職ごとに適正なバランスがとられた基準、とありますので、原則として旅費規程を整備しておかないと、日当の支給は認められないと言われます。しかし、通達では基準とあるだけで、旅費規程の作成まで義務付けている訳ではないのです。

このため、とある書籍においては、旅費規程がなくても、バランスの取れた基準で運用されていれば、日当の支給は認められるとしています。もちろん、税務調査を踏まえれば旅費規程は作っておくべきですが、最悪のケースは、作成までは要件でないといった理由で税務署と交渉することとしましょう。

金額の比較は

その他、同業他社との比較として、適正額であることも要件になっています。ただし、同業他社の金額などわかりません。

この点、見解が分かれるところですが、国税も適正額はわかりませんので、会社の状況に応じ、税理士などの専門家とも相談しながら、柔軟に判断することとしましょう。

この記事を書いた人

松嶋 洋(元国税調査官・税理士)

  • Twitterアイコン
  • facebookアイコン

東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

この記事をSNSでシェア!

記載については、執筆者の個人的見解であり正確性を保証するものではありません。本コラムのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、当サービス及び執筆者は賠償責任を負いません。加えて、今後の税制改正等により、内容の全部または一部の見直しがありうる点にご注意ください。