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e-Taxの接続障害の延長

2022-03-292022-03-31

申告期限直前に生じた大問題

令和3年度の確定申告においては、本来の期限である令和4年3月15日の前日から、e-taxの接続障害が生じるという、絶対にあってはならない事態が生じました。この原因としては、アクセスが集中したことによる、と言われています。しかし、国税が簡単に申告できると大々的に営業していたのがe-taxですから、このような言い訳は本来は通用しないでしょう。

この点を踏まえたからか、国税庁はe-taxの接続不良により期限内に申告ができない方については、令和4年4月15日まで、期限を延長する旨を発表しています。

手続きは簡便だが

この期限延長を利用する手続きですが、国税庁は申告書の余白に接続障害に基づく申告延長、といった文言を書くだけで手続きは完了としています。一見するととても簡単な手続きですが、このような文言を書くということは、国税に申告期限を延長してほしいと申請していることになります。申請する以上、仮に余白にその旨を書き忘れたとすれば、申告期限は延長されず期限後申告として取り扱われますので注意が必要です。

65万円控除も適用可能

ところで、e-taxによる申告については、青色申告を行う個人事業主にとっては、極めて重要な意味を持ちます。といいますのも、紙ではなくe-taxで申告することが、65万円という高額な青色申告控除の適用要件になっているからです。

青色申告をする個人事業主に認められる青色申告特別控除は、原則10万円ですが、複式簿記で経理を行った上、貸借対照表を添付して期限内に申告すると、その控除額が55万円に大幅にアップします。それにとどまらず、e-taxで申告をすれば、さらに控除額が10万円上乗せされて65万円となります。

e-taxができなければ、この10万の上乗せが認められないことになる訳ですが、これについても先の延長手続きを行った上で、e-taxで延長された申告期限である4月15日までに申告すれば、適用を受けられることになっています。

振替納税期限は

その他、確定申告により納付する申告所得税について、振替納税を活用している場合、振替日は令和4年5月31日とされます。原則の通りであれば、令和4年4月21日とされていましたので、こちらも延長されることになります。

なお、本特例を受ける場合の個人事業主の消費税の納税は延長されず、令和4年3月31日までの納付が必要とされていますので注意してください。

この記事を書いた人

松嶋 洋(元国税調査官・税理士)

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東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

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