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非居住者の役員報酬

2022-02-172022-02-17

非居住者の課税

日本に住所がない非居住者の課税については、国内に源泉のある所得(国内源泉所得)についてのみ課税されると規定されています。国内源泉所得の中で、最もよく問題になる所得の一つに給与所得があります。給与所得は原則として役務提供地で国内源泉所得か否かを判断するとされていますので、日本で働いた給与については、非居住者であっても日本の所得税が課税されることになります。

役員の場合は例外

しかし、この取扱いには例外があり、日本の法人の役員としてもらう報酬については、外国で働いた場合でも、日本の国内源泉所得になるとされています。役員の仕事は労働というよりも、経営判断という勤務地を問わないものですから、その役員が所属する法人が日本の法人であれば、国内源泉所得として所得税が課税されます。

みなし役員はどうなる?

ところで、日本の法人税法の役員は登記される一般の役員だけでなく、実質が役員と判断されるみなし役員といわれる役員も含むとされています。このみなし役員についても、上記と同じように取り扱うのではないか、といった疑義があります。

この点、結論から申し上げますと、原則としてみなし役員については、上記の取扱いの対象にならないとされています。非居住者の課税は、日本の法律だけではなく外国との租税条約も問題になりますが、租税条約における役員は、登記される役員に限定されることが通例とされています。

実際のところ、最もメジャーな租税条約である日米租税条約においては、役員について、「取締役会の構成員」と言った形で限定する形で規定されています。

使用人兼務役員は?

その他、使用人兼務役員についても、原則として上記の取扱いの対象にならないとされています。使用人兼務役員とは、内国法人の使用人として常時勤務する役員をいい、このような役員に該当する非居住者であれば、原則として国内で勤務しない限り、日本で給与所得の課税はありません。具体的には、内国法人の取締役が海外支店の支店長など使用人として常時勤務している場合がこれに当たります。

なお、最終的な取扱いは、その非居住者が居住する外国との租税条約なども確認する必要があります。日本のルールと異なるルールを設けていることもよくありますから、税理士などの専門家などとも相談しながら慎重に対応することとしましょう。

この記事を書いた人

松嶋 洋(元国税調査官・税理士)

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東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

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