累進税率
2022-02-212022-02-21
一言でいうと?
累進税率(るいしんぜいりつ)とは、課税対象となる金額が上がれば上がるほど、高い税率が課される累進課税制度における税率です。
累進税率とは
累進税率という言葉より、累進課税制度という制度名を聞いた事がある人はいるでしょう。累進税率とは、この制度が導入されている税金を課税する時に用いられる税率のことを言います。
では、累進課税とはどのような制度のことを言うのか、ですが、簡単にいえば、一律に比例して上昇する税率ではなく、課税対象となる金額が上がれば上がるほど、高い税率が課されるルールのことを言います。
この累進税率が採用されている主な税目は、所得税、贈与税、相続税などが挙げられます。
累進税率の意義
累進税率は、前項にもある通り、単純に税率が定められているわけではありません。
なぜ、課税対象の額面が大きければ大きいほど、納めなければならない税金は大きな額になるのか、ですが、これは「負担の公平」さを保つのが目的です。
この場合の負担の公平さとは、得た財産が大きい人には高い税率、得た財産が少ない人には低い税率とする事で、ひとりひとりが納税できる力に応じて負担でき、かつ社会の平等を保つようにすることを言います。
累進税率の種類
累進税率には大きく分けて、超過累進税率と単純累進税率の2種類が存在します。
日本で言う「累進課税」には前者の超過累進課税が適用されています。
モロッコの法人税などは単純累進税率が採用されています。
この2種類の累進税率はどのような違いがあるのか、次の項目で解説します。
超過累進税率とは
超過累進税率では、課税される金額を幾つかの範囲で分け、ひとりひとりの課税額をその範囲内に当てはまる金額分をそれぞれの区分で考え税率を決定します。
この範囲は課税額が高い方が、税率も高くなります。
例えば100万円の課税額が存在し、50万円までは5パーセント、100万円までは10パーセントという決まりがあった場合、50万円までは5パーセント、残りの50万円は10パーセントの税率が適用される、と言うことです。
同じ超過累進税率を採用していても国によって、またその税種によって、ランジ設定やそれに応じた税率は異なります。
単純累進税率とは
単純累進税率は、超過累進税率のような区分ごとに計算することなく、単純にその課税額に応じた税率が課税対象金額の全額にかけられます。
例えば100万円の課税額があって、100万円までの税率が10パーセントだった場合は100万円に0.1をかけるだけです。
累進税率のよもやま話・豆知識
累進税率と控除
所得税は累進税率が採用されているので、自分の所得の課税対象額がどのレンジに当てはまるのかで判断した税率をかける必要があります。
しかしこれで導かれた金額をそのまま納税するわけではありません。
税金の算出にはここから様々な税額控除が適用されます。
税額控除額を差し引いた後で導き出された金額が正しい納税すべき金額になります。