2割加算制度
2022-02-082022-02-08
一言でいうと?
2割加算制度(にわりかさんせいど)とは、亡くなった方との血縁関係に応じ、相続や遺言などによって財産を取得した人の納めなければならない相続税額に、その相続税額の2割に相当する金額が加算される税制です。
2割加算の対象者とは
2割加算の対象者とされている続柄は少々複雑で、兄弟姉妹、甥、姪、祖父母、代襲相続人ではない孫、被相続人の養子となった孫、内縁の夫や妻、法定相続人以外の人などと定められています。
そのため2割加算の対象者は配偶者、子ども、父母「以外」の人、と理解しておくと理解が早まります。
相続税が2割加算される理由
被相続人との血縁関係が近い人と遠い人、さらには血縁関係のない人の相続税が同じであるのは不自然だと考えられたからとされています。
また、孫にあたる人物が財産を取得した場合、相続税を1回免れる場合もあることから、相続税の租税回避になってしまうのを抑制するためともいわれています。
相続税の2割加算の計算方法
基本的に、加算金額=各人の税額控除前の相続税額×0.2で計算されます。
相続には、土地や建物等の不動産や預金などの財産のほかに、借金等のマイナス財産もあります。
つまりプラスの財産からマイナスの財産を引いたものの総額が遺産額になります。
先ずは相続税の対象となる遺産を調べ、課税遺産の総額を算出します、その後に法定相続分に従い、各相続人の課税価格を算出します。
その税額を元に、2割加算制度の該当者は2割金額を算出します。
2割加算をせず、申告した場合
相続税額の2割加算を行わず相続税の申告をした場合、税務調査等の調査が行われた際に判明すると、加算税や延滞税といったペナルティが課される可能性があります。
これ以外にも、申告漏れなどで発生する過少申告加算税や不正があると課される重加算税が課される可能性もあります。
相続税は原則現金一括での納付と定められています、さらに2割加算されるとより多くの現金を用意しなければなりません。
そこからさらに大きな課税を課されることの無いようきちんと計算、納税する必要があります。
2割加算制度のよもやま話・豆知識
もし相続放棄した場合は
相続放棄とは、被相続人の財産を一切相続しないことが条件です。
プラス財産よりマイナスの財産が多ければ、相続放棄が選択肢の一つになってきます。
ただし、相続放棄をしても生命保険金・死亡退職金を受け取ることがあり、被相続人が死亡した後、相続人が私的な約定等により受け取る財産のことをみなし相続財産といいます。
みなし相続財産は亡くなった方の生前の財産ではないものの、相続財産とみなすことになっています。
つまりそれにより受け取った生命保険金や死亡退職金は相続税の課税対象になりますので注意が必要です。