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相続放棄のためにやってはいけないこと

2022-02-082022-02-08

相続放棄とは

被相続人に債務がある場合には、相続放棄を検討した方がいいと言われます。相続は被相続人のプラスの財産だけではなく、マイナスの財産(債務)も引き継ぐことから、借金が多い被相続人については、借金を相続して不利益を被ることがあります。

このような不利益を避けるための方策として、相続放棄があります。相続放棄をすれば、そもそも相続人にもならず、プラスの財産を相続しない代わりに債務も引き継がないことになります。

相続放棄の手続き

相続放棄は戸籍謄本などの一定の必要書類をそろえた上で、家庭裁判所に申し立てることで認められます。期限は相続開始を知った日から3月以内となります。なお、相続放棄は撤回できませんので慎重に検討しましょう。

その他、上記のような手続きを適正に行っても、相続する意思があると判断される事実関係があれば、相続放棄が認められない場合もあります。具体的には、相続放棄前に、相続財産を処分したと認められるような場合です。

医療費や葬式費用の支払い

被相続人が入院中に死亡した場合、その入院費用を被相続人の預金から支払う場合、相続放棄が認められないとされる場合があります。なぜなら、被相続人の預金は相続財産ですから、それを処分するというのは相続する意思があると認定される可能性があるからです。このため、相続放棄を検討している場合には、支払ってはいけないと言われます。なお、どうしても支払いたい場合には、相続財産ではなく自分の財布から支出しましょう。

一方で、葬式費用を支出するために、被相続人の預金からお金を出す、ということもあると思います。この場合、確かに相続財産を使ってはいますが、葬式費用は特殊な費用であることから、葬式費用から支出しても相続財産の処分には当たらないとされます。

預金の引き出し

その他、被相続人の預金からお金を引き出す行為は、相続財産の処分に当たるとして、相続放棄が制限される場合があります。葬式費用という理由で引き出すなら通常は問題ないですが、このあたり記録を残しておくべきと考えます。

若しくは、「争族」の問題が起きなければ問題になりませんので、引き出す前に予め相続人の同意を得ておくことも重要です。同様に、預金だけ先に遺産分割協議書を作って遺産分割する、といったことも一つの方法です。

この記事を書いた人

松嶋 洋(元国税調査官・税理士)

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東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

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