有価証券
2022-01-262022-12-08
一言でいうと?
有価証券(ゆうかしょうけん)は、証券自体に財産的価値があり、証券市場で売買の対象である証券のことです。
有価証券とは
簡単に言えば、それ自体に財産的価値のある証券です。株式や手形は全てこの有価証券です。
貨幣や紙幣といった現金とは別物です。
現金は法的な権利が、所持していると認められ、失うと権利もなくなります。
これに対して、有価証券は原則的にはこの関係と同じですが、除権判決が下ると証券(券面)を所持していても法的な権利が無効になる可能性があります。
このように経済的には似ている現金と証券は、法的な権利の面では異なる点がある為別物扱いです。
有価証券とそうで無いもの
有価証券とは証券市場で取引がされる金融証券取引法に挙げられている証券のことを言います。
そのため、国債や地方債といった行政が発行している借用証書も有価証券に入ります。
手形や小切手といった支払い請求の権利をあらわす証券も含まれますし、現金だけでなく商品やサービスを受けられる権利を目に見える形にした商品券も有価証券と言えます。
ただし、生命保険は証券の中でも預金通帳などと同じく法的な権利を示すだけの証拠証券に分類される為、有価証券ではありません。
有価証券信託とは
簡単に言えば、信託銀行などに有価証券を目的別に信託することです。
有価証券の信託には3種類あり、管理コスト削減や長期海外滞在のために管理が困難で行う信託は「有価証券管理信託」、管理に加え運用して収益を生むことも信託する場合は「有価証券運用信託」インサイダー取引防止等の理由で売却を任せるものは「有価証券処分信託」と言います。
信託業の担い手で代表的なのは信託銀行ですが、運用や管理専門の信託を請け負う株式会社もあります。
有価証券報告書とは
有価証券報告書は1年に1回上場企業が必ず発行しなければいけない書類です。
「有報」と略して呼ばれることが多いです。
決算書だけでなく、事業内容や関係会社、従業員の状況まで記載されています。
見かけだけでは判別できない企業の真価を、数字に起こすことで公正に表されます。
これを読むと株式投資を行う際に役立つだけでなく、会社の経営戦略(企業のなりたい姿になるため現状を踏まえ道筋を立てること)にも活用できるため、営業がしやすくなります。
要するに、有価証券報告書を読み解くと儲かるコツが見つけられることになります。
有価証券のよもやま話・豆知識
決算書を見るためには
有価証券報告書の主要部分である決算書は何十ページにも渡るため、噛み砕いて読み解くには体力のいる行為に思われます。
しかし、決算書だけなら決算短信(略して短信と呼ばれることもあります。)という四半期ごとに公開される比較的わかりやすいまとめを閲覧することも可能です。
これは各社のウェブサイトで確認できます。
また、有価証券報告書であっても、金融庁のサイト「EDINET」から電子版で閲覧が出来ます。
一年分の冊子を読み解く前に、短信で大筋を理解することも有効な手段です。