名寄帳
2022-01-262022-02-08
一言でいうと?
名寄帳(なよせちょう)とは、固定資産税を所有者へ課すために市区町村が作成する台帳です。
名寄帳とは
名寄帳(なよせちょう)は地方税法によって市区町村が作成している固定資産税を所有者に課すためにその者ごとに課税の対象となっている固定資産をまとめた台帳を言います。
固定資産課税台帳とも呼ばれます。固定資産とは個人が所有している家屋や土地のことで、それを所有者ごとにまとめている名寄帳はそういった個人名義の不動産を簡単に確認できます。
名寄帳には不動産の登記事項、所有者の氏名や住所、評価額や税額などの記載があります。
遺産相続や財産調査に役立つケースが多いです。
名寄帳が必要なケースとは
名寄帳に記載されている事項は4月から6月ごろに毎年その不動産所有者宛に届く固定資産税納税通知書と共に入っている課税明細書と同一の内容です。
その為、所有者本人と言うよりはその資産を相続した者などが必要になる場合が多いです。
不動産相続には、相続登記が必須で、その手続きの際に事前確認として役立ちます。
遺産の権利条件が複雑化しないためにも確認はしておくべきです。
名寄帳の取得方法
名寄帳は市区町村それぞれの役場にあります。
そこに出向けば閲覧が可能ですし、写しを受け取ることもできます。
申請者と所有者の関係によって必要書類は異なります。
必ず必要なのは公布申請用紙や申請者の顔写真のある本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)などです。
その他には、住民票、戸籍、公正遺言証書、遺産分割協議書の写し、委任状など様々です。
公布手数料は市区町村によって異なります。
対象の市区町村のホームページでご確認ください。
また、その地域によっては郵送による申請も可能です。
名寄帳の項目解説
名寄帳は細かくその不動産に関して記されています。
家屋の場合は建築年や建築構造まで記述があります。
そのなかでも「固定資産税評価額」は遺産分割や相続税申告の際に必要になる数字です。
この金額は市場で売買取引される価格(実勢価格)と比較してだいたい7割ほどだと言われています。
その他、金額の記載では固定資産税と都市計画税の課税標準額や参考価格の記載もあります。
名寄帳のよもやま話・豆知識
台帳課税主義
固定資産税を納める義務がある人(納税義務者)は、その年1月1日(賦課期日)時点での所有者です。
この日が台帳の登録日であり、その内容によって課税される考えを台帳課税主義と言います。
たとえ賦課期日の翌日に土地や家屋を売却したとしても、納税の義務があるのは1月1日にその不動産を所有していた人物です。
名寄帳にもそのような記述がされています。
例えば1月2日に不動産を購入後1月3日に死亡した場合、名寄帳にその不動産の記載はないことになりますので注意が必要です。