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郵貯非課税制度

2023-05-312023-05-31

一言でいうと?

郵貯非課税制度(ゆうちょひかぜいせいど)とは、郵便貯金の利子に対する所得税を非課税にできる制度で、「障害者等の郵便貯金の利子に対する非課税制度」(通称「郵貯マル優」)と呼ばれていましたが、2007年10月1日の日本郵政公社の民営化に伴い廃止され、郵貯非課税制度は、他の民間金融機関と共通の非課税枠の「マル優」「特別マル優」にその制度の形が改められました。

郵貯非課税制度とは

郵貯非課税制度とは、郵便貯金における利子所得の非課税制度のことで、1946年(昭和21年)の開始後、その対象者や金額上限など数々の変遷があったのち、2007年(平成19年)10月1日の郵政民営化に伴い廃止されましたが、郵貯非課税制度は、他の金融機関の貯蓄や合同運用信託などと共通化され、マル優・特別マル優にその制度を吸収された形となりました。

郵貯非課税制度の歴史と変遷

郵貯非課税制度は、1946年に始まり、1968年にはその上限が300万円に定められました。

1988年には、対象の預金者が「65歳以上の老人、障害者、遺族年金者、寡婦年金者」に限定され、1994年には上限が350万円となりました。

2003年には、障害者以外の受付が停止され、2007年10月1日の郵政民営化に伴い郵貯非課税制度は廃止されましたが、廃止以前に預けられた非課税の郵便貯金は、預入期間等が経過するまでの間は非課税となりました。

その後は、マル優・特別マル優に制度を吸収されました。

郵貯非課税制度廃止後のゆうちょ銀行のマル優・特別マル優

郵貯非課税制度廃止後のゆうちょの利子所得の非課税制度は、他の金融機関と同じ「マル優・特別マル優」になりました。

マル優とは「障害者等の少額預金の利子所得等の非課税制度」の通称で、預貯金、合同運用信託、特定公募公社債等運用投資信託及び一定の有価証券が対象となります。

また特別マル優とは「障害者等の少額公債の利子の非課税制度」の通称で国債及び地方債の貯蓄が対象です。

非課税の対象となるのは、それぞれの貯蓄の元本の合計額が350万円までの利子で、併用すると700万円まで非課税となります。

郵貯非課税制度廃止後のマル優・特別マル優の対象となる人

郵貯非課税制度廃止後のマル優・特別マル優の対象となる人は以下の通りです。

・身体障害者手帳の交付を受けている方

・遺族厚生年金等の遺族年金を受けている妻

・寡婦、母子年金を受けている方

・児童扶養手当を受けている児童の母

・障害厚生年金等の障害年金等を受けている方

また2021年4月1日以後、以下の方が対象者に加えられました。

・労働者災害補償保険法の複数事業労働者傷病年金を受けている人、

・複数事業労働者障害年金を受けている人および複数事業労働者遺族年金を受けている遺族(妻のみ)

郵貯非課税制度のよもやま話・豆知識

郵貯非課税制度とマル優・特別マル優の併用

1946年に始まった郵貯非課税制度ですが、1987年までは、全ての個人が対象であり、例えば4人家族の場合、郵貯マル優、民間金融機関のマル優、特別マル優の3つの非課税合計900万円に、4人分を乗じた3600万円までを非課税とすることができました。

しかし、非課税の限度額が高額になったことから、貧富の差を鑑み、次第に対象者が限定され、最終的には障害者のみが対象となりました。

現在のマル優・特別マル優の非課税限度額は、郵便貯金銀行と民間金融機関との合計額でそれぞれ350万円ずつとなります。

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