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国税通則法

2023-03-302023-03-30

一言でいうと?

国税通則法(こくぜいつうそくほう)とは、国税についての基本的な事項および共通的な事項を定め、税法の体系的な構成を整備し、かつ、税務行政の公正な運営を図り、国民の納税義務の適正かつ円滑な履行に資することを目的とする法律で、その立法の際には、わが国税制の全般にわたって検討がなされ、1961年の税制調査会の答申を経て、1962年に同法が制定されました。

国税通則法とは

国税通則法は、国税に関する一般法で、国税の納付義務の確定、納付、徴収、還付、附帯税、更正、決定、不服審査、訴訟など共通事項をまとめた法律で、第1章の総則から第11章の犯則事件の調査及び処分までで構成されています。

国税通則法においては、国税のうち、関税・とん税・特別とん税を除いた内国税を対象としており、国税通則法の制定にともない、国税徴収法の一般的・通則的な規定は国税通則法に移されました。

国税通則法の制定以前の問題点

国税通則法の制定以前においては、租税債権の通則的規定がない、租税の賦課および徴収に関する期間制限に関し区別が明確にされていない、申告納税方式、賦課課税方式の意義の明文の規定がない、申告、修正申告および更正決定の相互間における法律効果が明らかでないなどの問題が存在しており、国税通則法の制定は、このような問題を解決するとともに、税法の簡易平明化、税制の改善合理化を図ろうとするものでした。

その後、ほぼ毎年といってよいほどの改正を経ています。

国税通則法の内容

国税通則法にて言及される内容の主な用語は、所得税・法人税・相続税・消費税等・法定申告期限・法定納期限・強制換価・滞納処分などで、全11章の目次は次のようになります。

第1章 総説

第2章 国税の納付義務の確定

第3章 国税の納付及び徴収

第4章 納税の緩和制度及び担保

第5章 国税の還付及び還付加算金

第6章 更正・決定・賦課決定 及び徴収などの期間制限

第7章 国税の調査

第8章 行政手続法との関係

第9章 不服審査及び訴訟

第10章 罰則

第11章 国税犯則調査手続

国税通則法の位置付けと役割

租税の納付に問題がない場合には、所得税法、法人税法などの各税法の規定下で処理が行われますが、納税が不完全な場合は、期限後申告、修正申告、更正の請求、更正決定などの手続や納税者への救済制度が求められ、国税通則法が必要となります。

国税通則法は、各税法の一般法という地位にありますが、各税法に特別法がある場合は、その定めが優先されます。

一般行政領域の行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法と国税通則法の関係は、各々一般法と特別法との関係にあり、国税通則法の特別の定めが優先的に適用されます。

国税通則法と各税法の規定配分

国税通則法と各税法の規定には以下のような振り分けがあります。

【各税法】

誰の、何に対して、どれだけの税金がかかるのか

いつまでに申告し、納付するのか

【国税通則法】

納税義務はいつ成立して、どのように確定するのか

納付すべき税額の確定や納付はどのようになるのか

税金はいつまで課すことができるのか

税金に関し不服がある者の救済はどのようにするのか

【国税徴収法】

期限内に納付のない場合の強制徴収手続はどのようにするのか

犯則の取締りはどのようにするのか

国税通則法のよもやま話・豆知識

国税通則法と国税犯則取締法

2017年度税制改定によって、国税犯則取締法については、国税通則法に11章(犯則事件の調査及び処分)を設けて、その中に定められることになり、国税犯則取締法は、廃止になりました。

ただし、2012年度国税通則法改定では、税務調査に際し、事前通知をする場合(74条の9)と事前通知をしない場合(74条の10)の規定を創設し、抜き打ち調査ができるようになっていることと、調査理由の開示が明確化されていないことなどから、その在り方を問題視する声も少なからず存在しています。

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