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有形固定資産

2023-02-282023-02-28

一言でいうと?

有形固定資産(ゆうけいこていしさん)とは、企業が売買目的の商品ではなく、通常1年以上使い続けることの意思を持って購入し、利益を上げる為の営業活動を行うために必要とする固定資産のひとつで、商標権や特許権といった形のない無形固定資産に対して、土地や建物、設備、備品、車両運搬具といった目に見える形のある販売目的のない資産を言います。

有形固定資産とは

有形固定資産とは、「無形固定資産」と「有形固定資産」、「投資その他の資産」にわかれる固定資産のひとつで、有形固定資産とは形のある固定資産をいいます。

有形固定資産には、土地、建物、リース資産、建設仮勘定や機械装置などがあり、貸借対照表では、借方の部に計上されますが、1年以内に換金されるものは、1年基準(ワン・イヤー・ルール)に基づき流動資産とされ、固定資産からははずれます。

また有形無形固定資産は、無形固定資産と同じく、減価償却をするものと減価償却をしないものに分けられます。

有形固定資産からはずれる流動資産とは

流動資産は、言葉の通り流動性の高い資産を指し、売掛金、商品、受取手形などがその代表で、一般的には1年以内に換金可能な資産を指し、区分としては、1年基準(ワンイヤールール)と呼ばれています。

ただし、商品によっては販売開始から売上代金回収まで1年以上かかるものもあり、1年以内に換金できなくても流動資産に含まれる場合があります。

また、流動資産にはもう1つ、正常営業循環基準があり、通常の商取引活動で生じる債権や債務などは、1年などの回収期間を問わず流動資産になります。

有形固定資産と無形固定資産との違い

有形固定資産は、「具体的な形があり、目で見たり手に取ったりすることができる資産」で、一方の無形固定資産は、「具体的な形がなく、目で見たり手に取ったりすることができない資産」で、具体的には以下のようなものが該当します。

【有形固定資産の種類】

土地・建物

建物附属設備

構築物

船舶

航空機

車両運搬具

工具

器具備品

機械装置

など

【無形固定資産の種類】

特許権

商標権

実用新案権

意匠権

借地権

鉱業権

ソフトウェア

のれん

電話加入権

営業権

漁業権

など

有形固定資産の非減価償却資産

時間の経過や使用による価値の減少がないことから減価償却の対象とはならない固定資産を「非減価償却資産」といい、有形固定資産の中では以下のようなものが該当します。

・土地及び借地権・地上権・地役権など土地の上に存する権利

・美術品等(古美術品、古文書、遺物等、歴史的価値・希少価値を有し、代替性のないもの、取得価額が1点100万円以上のもの)

無形固定資産では、借地権、電話加入権が、その他の資産では、棚卸資産、繰延資産、またその他、遊休設備資産、建設または製作中の資産なども非減価償却資産となります。

有形固定資産の減価償却

時間の経過や使用による価値の減少がないことから減価償却の対象とはならない固定資産を「非減価償却資産」といい、有形固定資産の中では以下のようなものが該当します。

・土地及び借地権・地上権・地役権など土地の上に存する権利

・美術品等(古美術品、古文書、遺物等、歴史的価値・希少価値を有し、代替性のないもの、取得価額が1点100万円以上のもの)

無形固定資産では、借地権、電話加入権が、その他の資産では、棚卸資産、繰延資産、またその他、遊休設備資産、建設または製作中の資産なども非減価償却資産となります。

有形固定資産の減価償却

有形固定資産の減価償却は主に定額法、定率法で行い、耐用年数にわたり毎期規則的な償却を行ないます。

定額法は、毎年同額の償却費を計上していく方法で計算式は次の通りです。

減価償却費 = 取得価格 × 定額法の償却率

※年度の途中で対象資産を取得した場合は、その年は月割で計算します。

定率法は経年劣化する資産の価値に応じて、毎年決まった割合で償却費を計上する方法で、初年度に多めに計上し徐々に減少していきますが、定率法の計算式は次の通りです。

減価償却費 = (取得原価 - 減価償却累積額) × 定率法の償却率

有形固定資産の定額法による減価償却例

取得額200万円の有形固定資産で耐用年数10年の場合

耐用年数が10年ですと、定額法償却率は、0.1(年10%)となるので、減価償却費は200万円 × 0.1 = 20万円の計算となり、20万円ずつ10年間に渡って減価償却するということになります。

また各有形固定資産に該当する耐用年数は、国税庁のホームページで調べられます。

有形固定資産の定率法による減価償却例

上記同条件で、有形固定資産の定率法での償却率は、耐用年数10年では0.2のため、初年度の減価償却費は200 × 0.2 = 40万円です。

2年目は、200万円から初年度の減価償却費40万円を引いた160万円に償却率の0.2をかけて算出し、減価償却費は32万円、以降3年4年目と計算していきますが、定率法では減価償却年数の短縮のため、「取得原価 × 保証率」で算出した金額を下回るあたりで、減価償却費を「期首簿価 × 改定償却率」で計算します。

償却率・保証率・改正償却率は、国税庁のホームページで確認できます。

有形固定資産の減価償却の仕訳例

有形固定資産の減価償却の初年度の仕訳は、以下のとおりです。

(定額法)

借方 減価償却費 20万円 / 貸方 固定資産 20万円

(定率法)

借方 減価償却費 40万円 / 貸方 減価償却累計額 40万円

有形固定資産のよもやま話・豆知識

有形固定資産の減価償却の定率法の変遷と注意点

定率法による減価償却は、その有形固定資産の取得時期によって3つに分類されます。

・旧定率法(資産の取得時期が平成19年3月31日以前)

・250%償却(資産の取得時期が平成19年4月1日以降平成24年3月31日まで)

・200%償却(資産の取得時期が平成24年4月1日以降)

有形固定資産は、耐用年数が50年以上など長いものが存在しますので、必ずしも最新の償却率に該当するとは限りません。

減価償却資産を取得した時期によって計算方法や償却率が異なることになりますので、充分ご留意ください。

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