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役員退職金が経費となる時期は?役員退職金の追加支給は可能?

2022-10-272023-06-30

有効な節税策である役員退職金

役員退職金は有効な節税の一つとして知られています。ちなみに役員退職金とは文字通り、役員に支払う退職金を意味します、これはオーナー企業に抜群に硬貨を発揮します。

オーナー企業の節税に有効な役員退職金

オーナー企業は、多くの場合において非上場会社です。そして役員と株主が一致することが多いです。そして上場会社とは異なり、黒字にする必要は必ずしもあるとはいえません。むしろ法人税や、自分が貰う報酬等の節税の方を重視するオーナーは少なくありません。

一方で、オーナー企業には、自社株に対する相続税などの節税が問題になることがあります。この特徴に当てはめて考えると、役員退職金は非常に都合がよい節税となるのですが、その理由は以下の通りです。

(1)適正額までが経費になるが、その適正額が高額になることが通例

(2)オーナーがもらう役員退職金は、オーナーの所得税の対象になるが、それは多額の控除が認められるなど所得税が優遇される

(3)会社の経費が大きければ大きいほど、自社株の評価が下がり相続税が節税される

役員退職金は以上の通り、法人税、所得税、相続税の3つの節税が同時に可能になるのです。とりわけ、(3)の相続税の節税は重要で、事業承継対策において、如何に多額の退職金をオーナーに支給させるかが王道の対策になっています。

役員退職金が経費となる時期

これまで述べた通り、役員退職金は非常に有効な節税になるのですが、ポイントは適正額かどうかだけではなく、その役員退職金の支給が経費になるか時期かどうかの判断です。

法人税では、各費用が税額計算上の経費になる時期について、国税庁公表の通達に細かく明記されており、それに従わないと税務調査で指摘を受けることになります。

役員退職金については、原則として株主総会でその支給を決議したタイミングとされていますので、決議日の属する事業年度で経費とする必要があります。

問題になるのは資金繰り

問題は資金繰りです。中小企業の場合、財政基盤が不安定であることが多いため、役員退職金を支給するために株主総会で決議したとしても、その支給時期に、支給するだけのお金が不足しているということもあります。このような場合、適正額を計算するともっと大きな退職金を支給できるのに、敢えて少なくする、という対応を取ることがあります。

役員退職金の追加支給はNG

前述の通り、適正額はもっと高額なのに、仕方なく低く支給するというような対応を取った際に、数年後に資金に余裕ができたため、当時の適正額までの不足分を追加で退職金支給したいというような相談を受けることがありますが、それは認められていません。なぜなら株主総会という会社の最高の機関で決まった支給額を覆すことになるからです。このため、役員退職金の節税を使う場合には、資金繰りも押さえておく必要があるのです。

この記事を書いた人

松嶋 洋(元国税調査官・税理士)

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東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

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