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非課税とならない有価証券とは?船荷証券と貨物の譲渡と消費税の関係は?

2022-10-242023-06-30

非課税とならない有価証券とは

株式などの有価証券を譲渡する際の消費税は原則として非課税です。しかし、非課税にならない有価証券があります。代表例としてはゴルフ会員権と船荷証券(ふなにしょうけん)です。ゴルフ会員権が非課税となる背景として、ゴルフは一般消費者のスポーツではない、という前提で、敢えて非課税とする必要はないだろうと解されているのだと思われます。

船荷証券とは

船荷証券が非課税とされる理由ですが、それ以前にそもそも船荷証券とは、貿易における船積書類のひとつで、輸出者と船会社が備品運送契約を結んだことを証明する証拠書類を意味します。つまり、輸出者が船会社の船に、輸入者宛の商品を船積みしたことを証明する書類です。

貿易実務では、この船荷証券が引換証となり、輸入者が商品を受け取ることになります。ただし、この船荷証券は他人に譲渡することも可能とされているため、その譲渡を行う場合の課税関係が問題視されることがあります。

消費税法上、船荷証券の譲渡は有価証券の譲渡とはみなされません。船荷証券の対象とされる貨物が譲渡されるという認識で取り扱われます。このため、貨物の譲渡に係る消費税の取扱いに準じて課税関係を考えことになります。

貨物の譲渡に係る消費税

貨物の譲渡に係る消費税について、国内にある貨物は消費税の対象となるとされています。このため、貨物が国内外のどちらににあるかが問題になりますが、船荷証券の貨物については、基本的に海上にあります。

海上にある場合、それが国内か否か、その判断は複雑になります。そのため、国税庁が明らかにしている消費税の通達の取り扱いにより、船荷証券の荷揚地が国内である場合の船荷証券の譲渡は、原則として国内取引に該当する、とされています。

このため、原則として国内が荷揚地の船荷証券を譲渡した場合、消費税の対象になります。

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輸出免税の対象になり得る

しかし実際問題、このようなケースは消費税が免除されると考えます。なぜなら、輸出免税取引に該当するからです。

消費税において、通関する前の貨物は外国貨物とされます。外国貨物の譲渡は輸出免税取引として消費税が免除されます。船荷証券についてもこの取扱いの対象になると考えられます。

この記事を書いた人

松嶋 洋(元国税調査官・税理士)

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東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

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